異世界日帰り漫遊記

御結頂戴

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首都ディーロスフィア、黒曜の虜囚編

21.虜囚の花1

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「うーん……」

 俺氏、ただいまトイレの中で腕組みしながら奮闘中。
 ……じゃなくて。困った事になったぞ。困った事になったから、俺は今、考える人のポーズでトイレでうなっている訳でして。

「何だか困った事になったぞ……」

 誰にも聞えないように息を吐くぐらいの微かな声で呟くが、そんな事をしても状況は変わらない。それが余計に俺を悩ませて、がっくりと項垂うなだれてしまった。
 何が困った事になったかって、アレだ。レッドの事だ。

 今日も今日とて俺はレッドの部屋に連行されて、さあ私室に忍び込むために策をろうするぞなんて思っていたのだが……なんと驚く事に、レッドが「今日は外に出て散歩してみないか」とか言い出したのである。

 ……いや、うん。おかしいよね。
 散歩。急に散歩だよ。
 レッドさん、俺が重要人物だって解ってますか。ヒントあげたり逃がしたりしたらヤバいって解ってるんですか。いや、俺逃げられないんですけどね。
 でも、この状況で「散歩」って絶対おかしいよな。

 いくら俺が媚び媚び状態とはいえ、俺は元々この場所から逃げたがってたんだぞ。首輪を嵌められてるっつっても、耐えられる程度のモノなんだから脱走する可能性だって考えられるだろうに。
 それなのに、外に連れ出すなんて危なすぎる。何を考えてるんだ。

 思わず驚いてトイレに籠っちゃったじゃないかもう。

 でも、もしレッドが媚び媚びな俺の事をアタマッから信じていたら、怯えている俺を元気付けようとして外に連れ出す事だって充分考えられるよな。
 しかしなあ……外に連れ出して、俺が元気になると思ってるんだろうか。

 逆に「逃げたい」って考えてしまうって心配したりしないのかな。
 俺にだってそんな事くらい考えつくのに、外出だなんて……。
 なんか怪しいんだよなぁ。

 どうするべきかと悩んでいると。

「……ツカサ、大丈夫か……?」

 こんこん、と控えめにトイレのドアをノックする音が聞こえて、レッドが気弱そうな声で問いかけて来る。どうやら少し時間が立って心配になったらしい。
 威圧的な態度じゃないって事は……少なくとも俺に何らかの強い疑念は感じてないんだろうけど、でも疑ってないって訳でもないだろうしなあ。

 どう返すべきか迷ったが――俺は、思い切って臆病な選択肢を選ぶ事にした。

「……ごめん、レッド」

 第一声で謝った俺に、扉の向こうの相手は困ったような声ですぐ返してきた。

「どうして謝るんだ……何か気に入らなかったのか?」

 頭から尻尾まで気に入らない事だらけなんだが、まあそれはレッドのせいだけじゃないので置いておく。
 上手く引っかかって来てくれたなと思いながら、俺はちょっと深刻そうな声を出して、ドアの向こうのレッドに答えた。

「その……レッドの事を信じてないわけじゃないけど……でも……あいつのせいで、また、変な所に連れて行ったりされるんじゃないかって思って……。そう思うと怖くて……ごめん……」

 自分でも驚くほどに上手に怯えた声が出てくる。

 ……そう言えば俺、仮病で学校休むの上手かったな。
 十回やったら八回は「嘘つくな」って頭叩かれるけど、二回程度はマジで休めてラッキーうっひょーってなるくらいの演技力はあるんだぜ!

 今回はその能力が遺憾なく発揮できているようだ。いや今はそんな話じゃないが。いかん、トイレという安全地帯に居るせいか、気が緩みまくってるわ。
 冷静に、冷静になれ俺。余計な事を考えている場合じゃないぞ。
 折角しおらしい事を言ったのに心の中がコレって、レッドが目の前に居たら絶対に仮病バレてんな。気を抜いたら死ぬと思えよ俺。

 などと余計な事を考えて余計な反省をしていると、レッドがいきなり「ドンッ」とドアを叩いて……いやこれなんだ、寄りかかって来たのか?
 ビックリするからやめてくれ! 声が出かけただろうが!

「くっ……ツカサ、すまん、俺が悪かった……! 大丈夫だ、俺のそばにずっといろ、ツカサ。もうあんな事はさせない、だから出て来てくれ!」
「ほんと……?」
「ああ本当だ、ここで誓っても良い!! ギアルギンにはもう酷い事はさせん! ……だから、気分転換に外へ行こう。俺と一緒に……」
「う…………うん……」

 …………騙されてるな。完全に騙されちゃってるな。
 いいのかな、これ。美人局つつもたせやるって決めたは良いけど、ここまで見事に俺のウソに騙されてるレッドを思うと、また罪悪感が湧いてくるんだけども……。

 ……いやいや、だから絆されちゃ駄目だってば。
 レッドも騙されてくれてるし、外にも出られる。それに、夜にはラトテップさんと倉庫に潜入するんだ。変な感情に流されて気を抜く訳にはいかない。
 ほっぺをつねって自分を戒めると、俺は一度深呼吸をして……それから、そっと立ち上がりゆっくりとドアを開いた。

 ――そこにはやっぱり、嬉しそうに俺を見つめるレッドがいて。

「ああ、ツカサ……!」

 心底ほっとしたような声を出しながら、俺の腕を強引に引っ張って抱き締める。
 一瞬拒否しそうになったが、堪えてレッドの腕の中に納まった。

「そのまま外に出よう。なに、着替えは外で探せばいいさ」
「き、着替えは良いけど……あの、でも……本当に出て大丈夫なの……?」

 レッドの顔を見上げると、相手は相変わらずのイケメンな顔でニコリと笑う。

「ああ、大丈夫だ。お前は何も心配しなくていい……」

 海のように青い目にじっと見つめ返されて、ぎこちなく頷く。
 その言葉や表情に少し引っかかるものを感じたが……強く拒否する理由も無いし、レッドに依存しているていの俺は素直に従うしか無かろう。
 そんな訳で俺はレッドと共に部屋を出る事になった。

御付おつきが付いて来るが、気にしなくていいからな」

 言われて、俺はなんだか背後に気配を感じて後ろを振り向く。
 そこにはいつの間にか二人の兵士が控えていた。

 ……なるほど。一応、俺が逃げた時の対策はしてるわけね。
 まあ、俺の首輪は苦痛毒が注射されるだけの優しめな奴だし、さっきも言ったけど逃げようと思えば逃げられるからな。それくらいの対策はするか。

 だが、これはレッドの意向なのかそれともギアルギンの差し金なのか。
 そこはちょっとはっきりさせておきたい。
 出来るだけレッドを怒らせないようにと思いながら、俺はレッドの服の袖を引き、爪先立ちで相手に耳打ちをした。

「あの怖い兵士達、ギアルギンの……?」

 囁くと、相手は少し嫌そうな顔をして頷く。
 そうするとやっぱりレッドは俺の事を全面的に信用してるって事なのかな。

「ところでツカサ、前に乗った軌道式走行機を覚えているか? アレに乗るぞ」
「神殿に行くの?」
「ああ。……街を歩かせてやる事は出来ないが、神殿の中にはこの国の植物を集めた美しい庭園がある。木の曜術師でもあるお前には、植物が必要だろう? だから、緑の中で休めば、もう少し気分も晴れるだろうと思ってな」
「レッド……」

 なるほど、俺の情緒不安定を治そうと思って連れ出したのか。
 ……そうだよな。俺が正常な俺に戻らないと、計画が進まない訳だし。
 それを考えるとまたレッドに対する好感度が下がりそうだったが、相手は俺の絶対的な味方じゃないんだから、そうするのは仕方がない事だろう。
 レッドにだって事情はあるんだからな。

 まったく、ままならない事ばかりだなと思いながら、走行機の乗り場へと向かう。
 色々考えてしまったが、今はこのルートをしっかりと覚えておかねば。
 今のところ脱出するルートは、ラトテップさんが昨日探っていた物品の搬入口と、この走行機に乗って【プロピレア神殿】に出るルートと……あとは、換気ダクトの終点の三つしかない。

 もし脱出するとしたら神殿ルートを選ぼうとは思わないが、しかし状況は刻一刻と変わってしまう物だ。最悪の場合も考えて、神殿ルートも覚えておかねば。

 そんな事を思いつつ、俺はレッドの部屋から神殿への道のりをしっかりと覚えて、走行機に乗り神殿へと移動した。
 ……ぐぬぬ、四人で乗ると結構ぎゅうぎゅうで辛い。相乗りしている御付の兵士達のガタイが良いからこんな狭く感じるんだろうか。エレベーターで男オンリーのすし詰め状態とか本当に止めて欲しい。せめて一人くらい女子がよかった。

 男で他人でしかも敵な三人組と至近距離とか嫌すぎると思いながらも耐え切って、俺は神殿に再び降り立った。

「ツカサ、こっちだ」

 レッドに手を引かれて、だぼだぼのズボンの裾で足を取られないようにえっちらおっちら階段を登り地上へ出ると、そのまま部屋を出る。
 庭園に向かうと言っていたが……そう言えばどこに庭園はあるんだろう。
 ギリシャの神殿みたいな場所だし、全面的に屋根で覆われているだろうから、庭となるとやっぱりアドニスんとこの城みたいに屋内庭園になるのかな。

 ここの感じだと白くて綺麗な柱がドンドンと立ってて、その間に緑が植わっているような感じだろうから……それはそれで綺麗かも。
 あっちはイギリスの庭園みたいで幻想的だったけど、こっちはなんか神話っぽさがある庭なのかもしれない。……うう……ワクワクしちゃ駄目だって解っているのに、久しぶりに緑が見れると思うと心が躍ってしまう……。

 ここでぼろを出してどうする俺、頑張るんだ!

 気を引き締めて、白い柱が等間隔に並ぶ天井の高い廊下を歩き、大理石のようにツルツルな床に姿を映しながら、右へ左へとレッドの誘導するままに歩かされていると――前方に、鮮やかな色に染まったドアが見えた。

 いや、あれはドアではない。
 あれは……廊下の先にある鮮やかな木々の葉の色だ。
 ということは……――

「さあ、着いたぞツカサ!」

 レッドが嬉しそうな声でそう言い、俺を向こう側へと案内する。
 手を引く強さに戸惑いながらも、早足で入口を潜り抜けた……と。

「うわぁ……!」

 思わず、声が出る。

 目の前に広がった光景は、思わず感嘆の声が漏れる程の美しい光景だった。












※次ちょっとモブが色々するんでご注意ください(挿入はないよ)
 
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