異世界日帰り漫遊記

御結頂戴

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プレイン共和国、絶えた希望の妄執編

11.旅は道連れ世は情け1

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 フォキス村の宿は【黄鼬きいたちの巣穴】という名前で、村長のソラさんの家と同じく木造建築の大きな建物だった。

 とは言え、平屋だが他の家よりも大きいってだけで、街の宿屋と比べたら親しみやすいサイズではあったが、裏街道の村でこれだけの広さの宿が有ると言うのはかなり珍しい。何故かとソラさんに訊いたら、この村は珍しい歴史を持つ村がゆえに様々な研究者などが訪れるため、ある程度の広さの宿を用意しているんだとか。

 研究って、何を研究してる人達が来るんだろうか。
 この村には勇者とか楽園とかとにかく色んな逸話があるから、歴史の先生とかがちょくちょくやって来るのかな。しかしこの宿のキャパからすると、調査団レベルがやって来るって事だよな。
 やっぱ勇者の伝説が有る村だと、そのくらいの規模の研究者がやってくるのかね。

 ……むう、やっぱり歴史って強いよな……。トランクルにも【空白の国】の謎技術アイテムとかがあれば、もっと人が呼べたかもしれないのに惜しい……。

 いや、まあ、それはともかく。
 俺達は【黄鼬の巣穴】の主人であるナザルさんを紹介して貰い、とりあえず適当な部屋に荷物を置くと、彼から話を聞く事にした。

「それで……モンスターの事なんですが、出来るだけ詳しく話して貰えますか。初めて見た時の事から、モンスターの形状、攻撃した時の反応はどうだったか、とか……とにかく、覚えてる事は全部」

 宿のロビー……というか待合室のような場所で椅子を持ち寄って小さなテーブルを囲みながら、俺は真正面に座っているナザルさんに問う。
 顎の端に古傷を持つ、野性味あふれるダンディなナザルさんは、粗野に刈った赤銅色の髪をくしゃくしゃと掻き回しながら片眉を顰めた。

「や、やけに几帳面だな……。冒険者ってのは、こんなにキッチリしてたっけか? まあいいか。ええと……俺がモンスターを見たのは二月ふたつきくらい前だったか……。森に食いモン取りに行こうと思ってよ、北の森に入ってったら、急にネズ公が飛び出してきやがったんだ。えれぇかってぇネズミでよ、曜術と斧でなんとか始末したんだが、それから他の奴らもネズミを見ただのイタチを見ただの騒ぎ始めてな……北の森には近寄れなくなっちまったんだ」
二月ふたつき前が最初で、ネズミにイタチか……他にモンスターは?」

 ブラックの質問に、ナザルさんは天井に視線を向けて頬を掻く。

「ええーと……毒を持ったコウモリに、でけえトカゲなんかも居たな。特にコウモリは珍しいからって知らずに食ったバカがいてな。死んじまって大慌てだったよ」
「えぇ……」

 食べちゃったって……なぜコウモリを……いや、話を聞く限り、ここの森には鳥類以外の動物は居ないみたいだし、亜種かと思って食べてもおかしくないのか……。
 日本人だって、フグを食べられるようになるまでに何千人もの人がチャレンジ失敗してたんだろうし……つーか、そのチャレンジ枠の人の話をリアルタイムで聞いたのは初めてだよ。出来れば聞きたくなかったが……。

 しかし、二次(?)被害まで出てるとなると、尚更なおさら放って置けないよな。このままだと、また変なモン食べようとして死んじゃう人がいるかもだし……。
 とりあえず、話を聞いたらモンスターの事をブラックに解説して貰おう。

「ふむ……それで、昨日出たモンスターとはなんだ。村には入って来たのか?」

 クロウの問いには、ソラさんが答えてくれた。

「いえ、それは南の森……外へと続く階段がある森の事ですが……そこに、くだんのモンスターが出たんです。それも、トカゲとネズミの両方が出て来まして、御帰りになる予定だった商人のかたと、他国の学術院のお二人が襲われて……」
「俺は一応炎の曜術が使えるんで、加勢しに行ったんだが……術で戦えるのが俺しかいねえもんだから、随分手間取ってよ。そんで、結局足止めだ。どうしてかよく解んねえけど、あいつらこの【楽園】から出ようとすると襲ってきやがるんだ……」

 ナザルさんは、不可解だとでも言うように眉をぎゅっとしかめる。ソラさんも彼の顔にならうように、思わしげな表情を浮かべて溜息を吐いた。

「……モンスター達は、森で出会ってもこちらが静かに身を引けば襲って来ませんし、不思議な事に村には何もしてこないんです。けれども、何故かここから出ようとすると襲ってきて……」
「一匹程度なら俺でも何とかなるんだがよ、さすがに二匹も四匹もってのはな……。さすがに俺じゃあ手に余る」

 ソラさんが言うには、村には曜術師はナザルさんしかいないとのことで、しかも彼は初歩の攻撃術が使える程度……つまり、四級程度の腕前らしく、その程度の力では小動物系のモンスターでもかなり辛いそうだ。

 しかし……この村から出ようとする時だけ襲ってくるってのもナゾだな。

「現物を見て見ない事には解らないけど、迂闊うかつに出るのも危険だな……。これじゃあまだ敵の様子がはっきり解らないし……。出来れば、その商人や学術院の二人からも話を聞いてみたいんだが」

 おお、いつになく真面目で協力的じゃないかブラック!
 もしかして、やっと人助けの精神が芽生えてくれたのか?

 ブラックのキリッとした横顔に感心する俺を余所に、ナザルさんとソラさんは二人で顔を見合わせると、何かを決心したように頷いて席を立った。
 足止めを喰らっている人達を呼んで来るとの事で、大人しく待っていると――奥へと続く廊下の方から話す声が聞こえて、ガチャガチャと扉を閉める音がする。
 やがて、ソラさん達を先頭に、見慣れない人たちが四人やってきた。

「あの、冒険者の方ですか」
「あらぁ~、随分と可愛らしい方がいらっしゃるのね!」

 いの一番にそう話しかけて来たのは、少し気弱そうな藍色の髪の太眉お兄さんに、ウェーブがかった金髪を豊満な胸の上に流している優しそうな眼鏡美女だった。
 二人ともお揃いの紋章のプレートを留め具にしたマントを羽織っているが、もしや学術院の人なのか。なんかマントの雰囲気がハリーナントカのマントに似てるし。
 服装は、眼鏡美女がおっぱい全部見えそうなぐらいの胸元が開いたドレスっぽいのを着ていてとてもセクシ……ゴホン。軽装のドレスっぽいので、どう見ても商人って感じじゃないし……。

「ええと……学術院の方ですか」

 俺が訊くと、眼鏡美女は嬉しそうに笑って唇をほころばせた。ああ、赤い口紅がとてもセクシーだな……。ソラさんが純朴ながらも華やかさを持つ田舎美女ならば、この眼鏡のお姉さまは女教師とかそういうアレだ。完全に「教えてあ・げ・る」とか言ってくれそうな色気が自然と滲み出てしまうお姉さんなのだ。
 今日は二人も美人に会えるとは……いいお姉さん日和だなおいゲヘヘ。
 …………じゃなくて。閑話休題!!

 俺の問いに、眼鏡の美女はふわりと微笑むと胸に手を当ててお辞儀をしてくれた。

「しかしよく解ったわね! 貴方達、冒険者にしておくのは勿体もったいないさとさだわ!」
「り、リトちゃんそうじゃなくて、自己紹介だよ」
「あらごめんなさい! そうねマボちゃん、失礼しました」

 ……なんだその愛称……さてはこの学術院コンビ……恋人か夫婦か何かか?
 だとしたら羨ましすぎるんですが。

「申し遅れました。わたくし、アランベールの国立高等学術院で技工科の教師をしております、金の曜術師のトリトニス・マーゲイアと申します。そしてこちらは、私の妻のマヴォルス・マーゲイア。どうかよろしくお願いします」
「よ、よろしくお願いします」

 …………ん?
 今、なんか……凄い単語を聞いたような気が……い、いや、気のせいかな。

 ははは、二人ともお辞儀してくれるなんて本当に丁寧だなあ。

「ツカサ君、どうしたのツカサ君」
「何でもないです……。こ、こちらこそよろしくお願いします」

 とりあえず自己紹介をしつつ先程の話は流す事にして、俺らはもう一組の人達とも自己紹介を交わした。
 学術院コンビの後ろで待機していた商人は、俺がライクネスで出会ったプレインの商人達と同じくマントで完全に姿を隠していたが、しかし片割れの人は「熊の獣人がいるから」という理由で、何故かフードを脱いで正体を見せてくれた。
 それで解ったのだが……なんと、商人の片割れは人族では無く獣人族だったのだ。

 彼はネズミの獣人とのことで、丸く大きな茶色い耳を頭に生やしており、顔はまあ可愛らしい感じで女子にモテそうだった。世の中は不公平だ。
 ちなみに名前はラトテップと言うらしい。もう一人何も喋らない人はお付きという話だったが、この国の商人は用心棒をつけないとダメなんだろうか。

 まあそれは後で聞くとして……とにかく、四人にも話を聞いてみる事にした。

 彼らが言うには、帰ろうとすると急にモンスターが道に飛び出してきたとの事で、ラトテップさんの方は魔物に関しての知識は無かったが、リトさん(愛称で呼んでと言われた)達には魔物の心当たりが有ったらしく、何が出て来たかを教えてくれた。

「一匹はポイズンバットで、もう一匹はネズミ……ううん、あれはミーレスラットに違いないわ。ただ鎧の部分が判別しにくい色だったから、亜種かも知れないけど」

 ポイズンバットというのはこの世界では聞き覚えがないモンスターだったが、ミーレスラットの方は聞いた事が有る。というか、俺が戦った事のある奴だ。
 しかし……本当に俺が戦った事のある奴だとしたら、なんだか変だな。

 ミーレスラットは別名で「鎧ネズミ」や「下水ネズミ」と言われるモンスターで、このような開けた場所には存在しないはずのモンスターのはず。それがどうしてこんな高地に突然現れたんだろうか。

 どういう事なんだろうと悩んでいると、俺の隣で話を聞いていたブラックが小さく声を漏らした。

「…………ふーん?」

 これは、ぼんやりと確信に近付いた時のような声だ。
 ブラック、もしかして何か思いついたんだろうか?












※ちょっと話がとぎれとぎれになってもうた…もうしわけない(;´Д`)
 
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