異世界日帰り漫遊記

御結頂戴

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プレイン共和国、絶えた希望の妄執編

 そろそろ君から2*

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※引き続きちょっとやらしいけど挿入とか直接的なアレはないです





 
 
 ブラックに肩を抱かれて、ドアに何かの札が掛かった部屋に連れ込まれる。そこはどうやら風呂場だったようで、相手に何を求められているのか理解した俺は、何だか心臓が痛くなった。

 だ、だって、風呂場って、脱衣所って、やる事なんて着るか脱ぐしかないじゃん。
 俺達の場合もう着ちゃってるし、だったら、脱ぐしか……。

「ツカサ君、お風呂入りたがってたでしょ? さ、一緒に入ろうか。僕達は恋人同士だし、一緒に入っていちゃついてても誰も気にしないしさー」
「うぅ……」

 そんなすました顔して……俺は騙されないぞ。えっちな事をする気だろ、エロ同人みたいに! エロ同人みたいに!

 思わず体が硬直したが……しかし、ふと己をかえりみて俺は首を振った。
 待て。待て待て俺。そう何でもかんでもエロに繋げるもんじゃない。それじゃ俺のほうが期待してるみたいじゃないか。さ、さっきえっちな雰囲気だったからって、今ここでえっちするとは限らないだろ。何変な事考えてんだよもう。

 ブラックだって、いつもスケベな訳じゃないんだ。コイツはただ普通に、俺が性欲を持てあましている事を不憫ふびんに思って、風呂に入って雑念をさっぱり流させようとしてくれたのかも知れないだろ。俺の馬鹿、はやとちりめ。

 そうだな、悶々と悩むより、冷水をぶっかけて萎えた方がよほど簡単だ。
 恋人がどうのこうのって言うのは、まあ、あれだ。風呂場でくっついてても、恋人同士だし、そんなのあ、当たり前って、いうか……ヤバい、なんか知らんが余計恥ずかしくなってきた……。

「ツカサ君、どしたの?」
「なっ、なんでも、なぃ…………」

 うわ……駄目だ、ブラックの方を見れない。
 なんか脱いでる音が妙に生々しくて、なんていうか、その。
 恋人、だし……最近やっと俺も「好きだ」って言えるようになったけど……なんで余計に恥ずかしくなってくるんだろう。ちゃんと恋人だって、自覚したのに。
 素っ裸なんて見慣れてるはずだし、二人で一緒にお風呂なんて恋人なら普通のはずなのに。どうして、恋人だって意識すると変な事になるんだろう。

 ……やっぱまだ、恋人らしさが足りないのかな……。
 実際、はっきりと気持ちを言えたのだって、貸家での一回きりだし……シラフじゃない時に連呼してる可能性もあるけど、そんなん多分ノーカンだよな。

 だとしたら、俺、まだブラックを不安にさせちゃってるのかな……。だから最近はセクハラするだけに留めてるとか? それがマジならダメじゃん。俺がダメだから、ブラックがやる気失くしてるって事じゃん。そんなの恋人として失格じゃないか!
 そらそーだ、逆の立場だったらそらもう良いわってなるもの!
 俺だってそんな途中萎えばっかりだったら冷めちゃうもん!!

 ヤバい、なんとかしなきゃ……。ほんとに恋人らしい事何も出来てないじゃん俺。
 何とかして、面目躍如を狙わないと……。

 でも、まだチャンスはある。ブラックを恋人として満足させられるハズだ。
 さっきのコイツだって、興奮してない訳じゃ無かったんだし……だ、だったら俺だって、ちゃんと恋人らしい事……。

「ツカサ君脱ぐの遅いよー。あっ、僕に脱がせて欲しくて待ってたのかな?」
「ぅぎゃ!? ち、ちがっ、脱ぐっ、脱ぐから剥くなぁ!」
「ちぇー。じゃあ僕先に入ってるから、すぐに来てよね?」

 俺が過剰反応したのがお気に召さなかったのか、ブラックは子供みたいに口を尖らせると、さっさと風呂場のドアを開けて行ってしまった。
 ……あ。もしかして、こういう時って脱がせて貰った方が良かったのか?
 俺、またブラックをガッカリさせちゃったんだろうか……。

「…………ヤバ……マジで俺ダメダメじゃん……」

 ほんと難しいな……恋人同士でやる事って……。
 でっ、でも、そういう気持ちでいるばっかじゃ駄目なんだよな! 俺は、アイツに好きって言っちゃったんだから、それ相応に、そ、その……恋人らしい事、ブラックが喜ぶような事を、ちゃんとしなきゃいけないわけで!
 そうじゃないと愛想尽かされちゃうかもしれないし…………。
 だから、ちゃんと恋人らしい事をしなきゃいけないんだけど。

「でも、背中流すのも髪洗うのも普通だしなあ……」

 せめて俺がボインボインな美人のお姉さんだったら、裸でおっぱいでも押し付けて、恋人同士だからって可愛く甘えたりも出来たんだろうけど……俺男だしな。
 美少女の恋人が出来たらして貰いたかった事は沢山思い浮かぶのに、そのどれもが俺がやっても気持ち悪いだけな事ばっかりで、ブラックに何をしてやれば正解なのか全く思い浮かばない。もう全滅だった。

 だって、俺は女の子と付き合うんだってばっかり思ってたから、こんなオッサンに抱かれる事になるなんて思わなかったし……。俺が甘える方になるなんて、全然想定してなかったんだから、相手の好みなんて把握出来るはずがない。
 だって俺、可愛い女の子にゴロニャンて甘えられたかったんだし……。

 でも、恋人だってちゃんと俺自身が口にした以上、男として逃げる訳にはいかん。今までのように流されるだけじゃなく、俺だってちゃんとブラックに恋人として接して、アイツを安心させてあげなきゃいけないんだ。
 ゴシキ温泉郷ではヤな事も知っちゃったし……ブラックはすぐに立ち直ってくれたけど、でも、セクハラばっかりなのってそう言う理由も有るからかもしれないしな。
 ブラックが一番やりたい事を抑えてる以上、俺も努力しなきゃ……。

 …………とは言え、非常に不本意だがアイツが初めての恋人である俺には、なんのノウハウも無い訳で……。
 ああ、ほんとどうすりゃ良いんだよもう。

「はぁ……ぐだぐだ言ってても仕方ないか」

 とりあえず、このしょうもない分身をなだめるのが先だ。
 こうなったら風呂に入ってさっぱりしてしまおうと思い、俺は手早く全裸になり、前をタオル代わりの布で隠して風呂場に足を踏み入れた。

「…………風呂場も中々エグいな……」

 なんかまた座る所の真ん中に隙間が有る変な風呂椅子が積み上げられてるし、何かタイルも薄ピンクだし、やっぱり変な道具がどーんと置かれてるし……。
 でも、いかがわしいワリには風呂は清潔だし、この世界では珍しい、多種多様な色の液体を詰めた液体石鹸らしき瓶が並べられている。それに風呂場の中央には石の台がいくつか置かれていて、湯あたりした体を冷やすのに良さそうだ。

 特に、幾つも石鹸があるのがいいな。あれは多分ボディーソープやシャンプーと言った違いがあるんだろう。色が違うのは匂いの違いか?
 ああいうのを見ると、トランクルの宿をつい思い出してしまう。
 トランクルでも色んな石鹸を置ければ更に完璧だったんだがなぁ……と今更な事を思いつつ、俺はブラックが手招きしている洗い場に近付いた。

「ツカサ君、先に体あらおっか。お湯は湯船から取ろうね」

 そっか。ここ蛇口が無いんだもんな。
 湯船のお湯を汲んでじゃばじゃばと体を洗う。ついでなので、ブラックの髪の毛も洗ってやった。えっちな宗教だから、いつでもお風呂に入れるようにしてるんだな。そうすれば、体を清潔に保てるし。こう言う所はちゃんとしてて良いなあ。

 ……って、あれ?
 きもちいいことするって言ったのに……普通だな……。
 もしかして……風呂に入ってさっぱりするのが「気持ちいい事」ってこと……?

 ………………はっ。
 い、いや、違う、期待してないから!
 これはブラックがさっき言った事と違う事をしてるから戸惑ってるだけで!
 まあ、あの、おかげで股間は沈黙したけどそうだけどそうじゃないっていうか!

「んん~……やっぱりツカサ君に頭を洗って貰うの気持ちいいなぁ~」

 おっ。おお……嬉しそうな声……。
 ブラック、ちょっとは機嫌を直してくれたのかな?

「気持ちいい?」

 濡れて一層鮮やかになった赤い髪を、撫でるように絞る。
 すると、ブラックは気持ちよさそうに息を吐いて軽く頷いた。

「うん! でも、ツカサ君にはいつも髪をいて貰ったりして悪いなぁ」
「なんだよ今更」
「だって、大変でしょ? 他人の長い髪をこんなに優しく洗うなんて」
「ん~……? 別にそんな風に思った事ないけどなあ。アンタの髪をくのだって、自己満でやり始めた事だし……大変だとかは全然思わないけど」

 せっかくの綺麗な赤い髪だし、抜けたら勿体もったいないじゃん。それに、俺、アンタの髪扱うの結構好きだし……。ブラックみたいな顔と体型だったら、俺もこういう風にファンタジーっぽく髪を伸ばしてみたかったなあって思ってたからさ。

 広くてがっしりした背中と肩に、長くて綺麗な赤い髪。後ろから見える顎のラインも、映画の俳優みたいにがっしりしてて格好いい。中身はともかく、こんな風な伊達男になってみたいなとは思う訳で。

 格好いい男を演じてみたいってのは、誰しもが考える事だ。少なくとも俺は、格好いい大人の男になって、歩くだけで女の子にキャーキャー言われたかったですよ。
 ……でも、俺の場合まずもう身長と体格で失格なんだけどね……。

「ツカサ君?」
「ん、い、いや。何でもない。とにかく好きでやってるからいーんだよ」

 ブラックの髪を絞りきる俺に、相手は目を瞬かせながら振り返った。
 濡れた髪を頬に張り付かせながら俺を見上げるブラックに、ちょっとドキッとする。こういう時のブラックって、妙に男らしい感じがするからやなんだよなあ。
 そのくせ、妙に子供っぽくて……なんていうか……。

「じゃあさ、いつもやって貰ってるだけじゃ悪いから、僕も洗ったげる!」
「え、そ……そう……?」
「うんっ。ホラホラ座って」

 座ってって、この変な椅子に座るのか。
 滅茶苦茶違和感があるが……まあ、好意を無にするのもどうかと思うし。
 素直に椅子に座ると、ブラックは色々な液体が並んでいる所から薄紫色の液体が入った瓶を持って来て、きゅぽんとせんを抜いた。

「ホラこれいでみて、良い匂いがするよ」

 嬉しそうに俺の鼻先に瓶を近付けて来たので、俺は素直に瓶に顔を寄せる。
 何がそんなに楽しいのかとは思ったが、とりあえず瓶の中にたっぷりと入った薄紫色のゼリーっぽい液体を匂ってみる。すると、ふんわりと良い匂いがした。

「……あ、ホントだ。甘い匂いがすんな……ブドウかな? なんの石鹸だろコレ」
「んー、それは良く解らないけど……垂らすだけで体が綺麗になるんだって」

 へー。擦る手間が無いのはありがたいな。
 ちょっと気になったので、そのまま肩からだらだらと垂らして貰うと、ゼリー状だと思っていた液体は思ったよりスムーズに体に流れて来て、粘つく感じでゆっくりと足の方へとしたたり落ちて行く。よくわからんが、この粘りが汚れを取ってるのかな。
 でもこれならブラックに触れられずにヤらしい事もされないし……いや、べ、別に期待してた訳じゃないけどね?

「なんかあんまりお礼感ないね。肩でも揉んであげよっか?」
「素っ裸で肩もみかぁ……」
「良いじゃない。意外と凝ってるかもよツカサ君。疲れって判んないもんだからね」
「そ、そう? じゃあ……頼む」

 まあ善意でやってくれるのに断るのも悪いよな。
 しかし肩もみか……。ダチとふざけて揉み合って、くすぐったいだのとふざけてた覚えはあるが、やられた経験ってのは案外少ないな。
 逆にやった事なら結構あるんだけどなあ。

 ガキの頃だったら毎日婆ちゃんの肩叩いてたし、今でも婆ちゃん家に帰ると、肩ってないかって聞いて揉んだりするし。そう言や、父さんに送った肩たたき券は作って速攻使い倒されてたな……おかげで次の父の日も券を作らなきゃいけなくなって、結局中二くらいまでやらされてた記憶が……。

「ツカサ君、揉んでいい?」
「あっ、ごめんごめん。俺慣れてないから、最初は弱めで頼むわ」
「はーい」

 うーむ、会話だけ聞くと本当にオッサンの台詞とは思えない……。
 つくづく言動と体格が一致しないオッサンだなと思っていると、肩をぬるりと大きな手が撫で回してきた。……お、おお、これはアレか、ボディーソープの滑りか。
 ぬるぬると肩に液体を塗りたくると、その残りが下へと沢山垂れて来る。
 液体の僅かな粘りが気持ち悪いなと少し体を動かすと、大きな手が両肩を掴んで、左右共にゆっくりと弱く揉み始めた。その、刺激といったら……――

「はひゃっ!? は、あはっ、やっ、うははっ、ちょっ、まって、だめこれ……っ、くっ、くすぐったい……!」

 ぬ、ぬるぬるしてるのもあるけど、ちょっ、だめ、ほんとこそばゆい……っ!

 もう良いとブラックに振り返ろうとするけど、ブラックは不満そうな声を出すだけで肩を揉むのをやめてくれない。それどころか、今度は強く肩を握りながらぐいぐいと更に揉みこんできた。

「えー? ツカサ君按摩あんまとかして貰った事ないの? そんなんじゃ駄目だよ。ほら、僕が慣らしてあげるからもうちょっと我慢して」
「ぅあぁあっ、はっ、っひっ、っくはっ、はぁあっ! はっ、はひゃ、だ、めっ、もっ、らめだっ、たら……っ!」
「ツカサ君、こんな調子じゃ他の奴に興奮されちゃうよ……? 可愛い声で悶えて、可愛い乳首までこんなにピンと勃たせて……」
「ふあぁ!?」

 肩でぬるぬるとうごめいていた手が突然移動して、無い胸を掴みながら掌で俺の乳首を押し潰してきた。急にそんな事をされたら、声を我慢できない。くすぐったさに口を開けて息を吐いていた俺は、思わず変な高い声を上げてしまった。
 だけど、ブラックは俺の事なんて構わず、肩から両手を移動させて、ぬちゃぬちゃと音を立てて胸を揉んでくる。

「ひっ、や……やだ、いたぃっ、てば……っ」
「ツカサ君たら……男の子なのに、こんなに柔くて気持ちの良いおっぱいを持ってるなんて……あんな声をあげてたらすぐにこの胸も揉まれちゃうんだよ!?」
「そっ、そんな……っ、ゃ、やらっ、揉んじゃやだぁ……!」

 無い肉を無理矢理に掴まれて、ぐいぐいと揉まれる。
 痛いはずなのに、どうしてかはっきりと痛いと言えない。それどころか、滑る液体のせいか、掌が一々乳首を押し付けて滑って来て、体が勝手に反応してしまう。

「イヤ? その割には乳首もおちんちんもこんなに固くなっちゃってるけど」
「や、ぁ……っ、だって、こんな……っ」
「液体だけで滑ってるんじゃないよね、ここ」

 大きな手が、半勃ちになっていた俺のモノを緩く掴んで、先端をぴたぴたと指先で押してくる。それだけでもう耐え切れなくて、俺は腰をびくつかせてしまった。
 だって、こんな、くすぐったくて、ぬめぬめして、くすぐられたら。
 そんな事されたら、誰だって……。

「ツカサ君……すっきりしたい?」
「えっ……」
「良いよ……? ツカサ君がして欲しいなら、扱いてあげる……」
「っあぁあ……! やっ、あっ、うぁあぁ……っ!」

 ぬちぬちと液体を塗り込むように擦り上げられて、体が反る。
 思わずブラックの体に背中を預けると、相手は熱い息を俺の耳に吹きかけながら、あの低くてお腹の奥がじんとするような声で、再び囁いて来た。

「その代わり……もっと素直になって貰うために、虐めちゃうけど……良いよね? 僕達恋人なんだし……僕だって、我慢してるんだから……っ」
「ぅ、え……?」

 それ、どういう…………。

「ねえ、ツカサ君……そろそろ、君からねだってくれても良いんじゃないかな……」
「――――っ」

 ねだる、って。
 それって……やっぱり――――


 だけど、答える暇も無く、俺はブラックの手で激しく扱かれて達してしまった。












※ここから途中途中でなんかセクハラが出てくるかもしれませんが
 エグくない限りは注意書きしないので、よろしくお願いします!

 ツカサは良い事だけ思い出して嫌な事はすぐ忘れるネアカな性格
 だからブラックに付け込まれてどんどん逃げられなくなるのです(´・ω・`)
 
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