異世界日帰り漫遊記

御結頂戴

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ファンラウンド領、変人豪腕繁盛記編

17.そもそも原動力が無いと、という話

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「……にしてもさあ、なんで村人の士気なんて上げなきゃいけないんだい?」

 湖に浮かぶ小さなボートの上、オッサン二人に挟まれたボートの真ん中で、俺はその質問にどう答えた物かと腕を組む。
 俺達は今、湖の全景を確かめるべく昼飯を持って湖にぎ出していた。

 とは言っても、俺は真ん中で湖を見てるだけなんですけどね。
 ……いや、だってさぁ、俺が漕いだら全っ然進まないし……それに、ブラックとクロウに両端で漕いで貰う方が、かなりの速度で湖を移動出来るから……。
 うう、ごめんなさい、もっと筋トレします……。

「この村を以前のような見栄えのする場所に戻す為、というのは解るが、それならば命令させる方が早いのではないか?」

 進行方向を背にしてぎこぎことたくましい腕を動かすクロウも、ラスターに任せた扇動せんどう行為に何やら懐疑的だ。
 そんなオッサン二人に、俺は再び首を傾げた。
 うーむ……俺もそう言うのに精通した専門家って訳じゃないし……つーかド素人だし……色々突っ込まれたら弱いんだけど、とりあえず頭の中にある単語で納得して貰えるように頑張るしかないか。
 そう決心して、俺は二人に簡単に説明し始めた。

「えーっと……例えばさ、酒場の看板娘が愛想良い所と愛想悪い所だったら、愛想が良い方に行きたくなるだろう?」

 この質問は、簡単だけど実に良い消費者目線の質問だ。
 要するに、旅人を迎える相手が、こちらに対して好意的であった方が良い思いが出来るだろう……という確認をする問いなのである。
 しかしこいつらはと言うと。

「え? 別にどうでもいいよ。女に優しくされたいんなら、金で適当な娼姫でも買って抱けばいいんだし」
「酒場の女など安い娼姫のようなものだろう。そんな物になつかれても困る」
「………………」

 そ、そうね……お前らそういう目線だったね……。
 でも俺は酒場の娘さんは娼姫とは違うと思うよ。じゃあ、ええと、別の例えは。

「えーっと……じゃあさ、家に招いてご馳走してくれる人と、何もせずに薄い毛布一枚で寝かせようとする人は……」
「はぁ? 家に招いて邪険に扱うって、その家は常識が無いんじゃないのかい? 招く側なら最低限礼儀が有ってしかるべきだけどね」
「そんな無礼な家は即刻取り潰しだな」

 ………………。
 お、お前ら……。

「だあもうお前らどんな例えだったら納得してくれるんだよ!!」
「ツカサ君が解りにくい事ばっかり言うからじゃないかー。そうじゃなくてさあ、もっと身近な……ツカサ君自身に例えてみてよ」
「ウム、そうだな」
「えぇ……お、俺ぇ……?」

 俺で例えろって……どう例えりゃいいんだ?
 えーと、この場合観光だから……。

「じゃあ、ええと……もし俺が観光地の食堂をやってたとして、ブラックとクロウがそこの名所を見る為に旅して来て、偶然その食堂を訪れたとする」
「うんうん」
「で、その時に……俺が滅茶苦茶そっけなくて『早く帰れ余所者。面倒臭い』とか言ったら嫌な気分になるだろ? せっかく旅しに来たってのにさ」
「いや、物凄く興奮するよ。その場で組み敷いて犯したくなる」
「ウム」

 聞かなかった事にしてやる。今のは無しだ。話が進まん。
 とにかく愛想が良い事への利点を話さねば。

「…………そ、その反対に、俺がにっこり笑顔で『遠い所を良く来てくれましたね、観光楽しんで下さいね』って愛想よく名物料理とか食べさせたら、やっぱしそっちの方がいいなって思うだろ?」
「えっ、食べさせてくれるの!? うわぁ~そっちも捨てがたいなぁ~……お金でツカサ君を買うなんて、久しぶりで興奮するしなぁ~」
「客をもてなすために身を削るツカサ……ハァ、ハァ……」
「お、お前らちゃんと人の話きけえ!! だからっ、それを考えると、少しでも地元の人が愛想が良い方が気持ちいいだろって話! そうして貰うためにラスターに意識改革を頼んだんだよ!!」

 そう言うと、ブラックとクロウは感慨深げに何度も深く頷いた。
 トンチンカンな事を言ってたが、やっと解ってくれたのか。

「なるほどねえ……。確かに、強姦まがいのセックスも良いけど、やっぱり甘えてくるツカサ君の方が抱いてる時の幸福度高いもんねえ」
「そうだな。ツカサにけなされるのも興奮しないでもないが、自分の体を褒められる方が何倍も嬉しい」

 頭が痛い。本当に頭が痛いが、こいつらに限ってはもう納得するしかない。
 色欲まみれじゃないとブラックじゃないし、突飛な事を言い出さなければクロウじゃないんだ。俺が慣れるべきなんだろう。
 ……でも、慣れたら凄くヤバい気がするんだがな……いや、無心だ無心。
 取り合ってたらいつまで経っても話が終わらん。

「……ワカッテクレテヨカッタデス……。だから、そういうデレって必要だろ? 一人でも客にぞんざいだったら、誰かが嫌な思いするかもしれないじゃん。嫌な思いをした場所なんて、二度と行きたくないもんだろ?」
「まあ確かにねえ。ワインすら不味い酒場とか二度と来るもんかと思うし」
「失敗した料理を平気な顔で出す店も御免だな」
「テメーら良い例え話もってんじゃねえかー! こんちくしょう俺に謝れー!!」

 なんでそれを理解してて俺に説明させ……ああっ、ニヤニヤしやがって、さては俺を虐める為にわざとのらりくらりと……~~~~ッ!

「あっ、ご、ごめんごめん! ツカサ君泣かないでー、ねー?」
「ツカサすまん、焦って頑張るお前が可愛くてつい」
「つい、じゃねーよバカー!!」

 あと泣いてないし焦っても頑張っても無いし可愛くないから!!
 ふざけんなクソ、今度やったらマジで家に入れねえからな絶対にだ!

 ギリギリ歯ぎしりしながら左右のオッサンを睨むが、二人はどこ吹く風だ。
 再び船をこぎながら、ブラックは先程までの事を消し去るように気楽な声で周囲を見回した。こ、この野郎、殴るぞマジで。

「まあ、ツカサ君の言いたい事は解ったけどさ、あの若造に出来るのかなあ」
「む……そこは大丈夫だと思う。そうじゃなきゃ任せてないし。村人達が積極的になりさえすれば、建物の修繕も観光地としての方向性も決められるし、俺達の苦労もかなり減るんだぞ? 昔から人海戦術ってもんがあるだろ」
「確かに、こういう物事はどうしても人手が居るからな」

 すいすいと湖の上を滑るボートの上から、再度三人で湖を確認しつつ進む。
 なんだか納得してくれたみたいだが、弄ばれた怒りの方が強すぎて納得して貰えた気がせんわい。ちくしょう、もうこうなったら湖の調査に没頭してやる……。

 水中や湖の全景を確認すべく、ブラックとクロウに頑張って貰ってあちこちくまなく探索し、途中昼食休憩を取りつつ真面目に調査して――三時間ほどで、俺達は湖の全景を確認する事が出来た。

 トランクル湖は、大体の目測で岸から岸への最大距離が約一キロ半ほどあって、体感としてはかなり広い。全長はそれより更に大きく三キロほどか……とにかく、琵琶湖には遠く及ばないがそれでもかなり広い湖だ。

 湖の水質は綺麗で、水草が草原のように広がるエリアも有れば、生き物の気配がない土だけの場所も有る。確認したけど、やっぱカレンドレスの自生地は湖の中心にあるみたいだ。でも、残念ながら水草以外の生物は見る事が出来なかった。

 途中、魚の骨と思われるものは見かけたんだけどな……。
 推測でしかないが、もしかしたらカレンドレスの憂鬱花粉のせいで、魚が死んでしまったのかもしれない。これにはがっかりだった。

 だけど、良い事も見つけた。村から離れた場所には森から水が流れてくる場所があり、その水を【アクア・レクス】を使って吐き気と戦いながら辿たどってみると……なんと、あの湿地帯に繋がっている事が解ったのだ。

 小川なのでクラッパーフロッグは移動できないみたいだけど、あの場所から流れて来ている水なら、これだけ湖が綺麗なのも頷ける。……というか、本当に道を作って水を塞き止めなくて良かった……。
 水の道ってどこでどう繋がってるか解んないもんな。

 そんなこんなで湖の調査は終了したのだが……正直、肩すかし感は否めない。
 周辺環境は普通の森って感じだったし、カレンドレス以外には目を引く物も見つからない。広さは中々だけど、人が泳ぐには深すぎるし……なにより、いつ花粉が出て来るかと思ったら遊泳も出来なかった。

 花粉はなんとかするにしても……とにかく、見どころが無さすぎる。

 三人揃って難しい顔で家に帰る途中、俺達を待っていたラスターとリオルに合流して湖の調査結果を話すと、ラスターも苦い顔をしてしまった。

「それは…………困ったな」
「マジいいとこ一個もねーのなこの村……」
「リオルッ! シッ!」

 失礼な事を言うんじゃありませんと人差し指を立てるが、ラスターに同意せざるを得なかったらしいブラックとクロウも深く頷く。

「カレンドレスが有ると言っても、それだけじゃやっぱ弱すぎるよ……。これじゃツカサ君が言う村人の“奉仕の意識”が完璧になったって、人を呼べるモノがなきゃ話になんないね。とは言え、この村はもう賭博場や娼館を抱える程の力はないし」
「うまいモノもない。……まあそれはツカサが作れば別だが」

 それぞれ好き勝手な事を言うが、ラスターも二人の言葉に頷く。

「お前らに同意するのは不服だが、同意だ。……ツカサ、村人はぎょやすかったが、しかし彼ら自身もこの村が変われるのかと懐疑的でな。今回は仕事の都合で来られなかった村人達もそう思っているとを考えると……やはり、村人達を奮起させる“目に見える素晴らしいもの”は必要だ。料理も良いが、彼らが誇れる何かを見つけんと、扇動したとしても長くは続かんだろう」
「やっぱそうか……」

 説明を聞きながら家に入り、俺達は再び台所に集合する。
 もう自然と夕飯の流れになってしまったが、これは問題ない。
 白エプロン……はブラックのアホがどっかに持ってったので、仕方なくそのまま調理を開始する。その間も、意外にもブラック達は真面目に話し合いをしていた。

「湖の他に名所になる物はないのか?」
「亡者ヶ沼……は、一般人に案内するのは危険だ。冒険者ならば不意に現れたボスモンスターにも応戦できるだろうが、素人の人族には危ない」
「ツカサには懐いているようだが、クラッパーフロッグ達も見物人が増えれば逃げるかもしれんしな。しかし、そうなると難しい……」

 ふーん、なんだか良い感じに話してるんじゃん。
 内容は堂々巡りだけど、やっぱりちゃんと話し合いは出来るんだな。

 小麦粉、砂糖、水を少しだけトロみが付くように混ぜつつ、リオルに用意して貰っていたかまどに深い鍋を設置し、贅沢に油をどっと入れる。
 火にかけた脂がふつふつしだしたら、そこに……先程の液体にをつけて、油の中に放り込んだ。

「お……」

 じゅわ、と油が鳴いた後に、乾いた大豆を炒るようなカラカラとした小気味いい音が台所に響く。だんだんと衣が膨らみ、仕上がりを告げる泡が弾けるような音と香ばしい匂いを感じて、俺は“ソレ”を引き上げ網の上に置いた。

「つ、ツカサ君……それなに……?」

 香ばしい匂いにつられたのか、ブラック達はいつのまにか俺の背後に居て、じっと網の上で油を切っているモノを見やる。
 ラスターまでもが物欲しそうに見ているのが少しおかしくて笑うと、俺は細長い物――淡い色に揚がったてんぷらを、五つに切り分けた。

「これは、天ぷらって言う俺の故郷の食い物だよ。ほら、前にフィッシュアンドチップス作っただろ? あれの“衣”の部分が少し違う奴。とにかく食べてみな」

 皿に乗せて三人に差し出すと、ブラック達は少し戸惑ったようだが……恐る恐る手を出し、まだアツアツのそれを口に運んだ。
 サクッ、と音がして――――

「んん!? な、なにこのほのかに甘くて美味いもの!?」
「サクサクしてて楽しいぞツカサ」
「な、なんだこれは……こんな調理法があるとは……。ツカサ、これの具は、中身は何だ!? 普通の食材ではないな!」

 初めての食感に驚いたのか、三人は紅潮させた頬をハムスターみたいに丸く膨らませて、天ぷらを一生懸命モグモグしている。
 その様子が何故か妙に可愛くて思わずまた笑ってしまいそうになったが、ぐっと堪えて、俺は自信満々に天ぷらの「タネ」をラスターに見せてやった。

「これ……は…………カレンドレスの花びら……!?」

 そう。この天ぷらは、世にも珍しい花の天ぷらなのだ。

 ――――昨日、カレンドレスの花の問題を克服した俺は、ある地方の名物を不意に思い出していた。

 それは、天下の台所・大阪に存在すると言う“もみじの天ぷら”だ。

 俺は大阪には行った事が無いが、子供のころから婆ちゃんにコレに似た天ぷらを作って貰っていて、大阪にはこんな珍しい名物が有ると教えて貰っていた。
 それは、大層美味しい物であると言う事も。

 本場のモノには及ばないが、その情報は俺にとってはかなりの衝撃だった。
 ならば、このライクネスでも同じ物を作れば、観光客にかなり強い印象を与えるのではないか……そう思って、花びらを天ぷらにしたのである。

 衣の割合を調整するのには苦労したが、それを乗り越えて完成したカレンドレスの天ぷらは本当に美味かった。
 なにせ、サクッとした天ぷらの中には口で解ける甘く柔らかな身が入っている。それだけでも充分なのに、塩を軽く振ると余計にやめられない味になるのだ。
 こんなもん不味い訳がない。
 個人的には天つゆ付けて食べたかったが、醤油が無いからな……。

 にしても、ラスターにまでびっくりして貰えて本当に良かったよ。

「美味しい?」

 改めて訊くと、ブラック達は首が壊れるんじゃないかと言う程頷く。

「う、う、うまいよこれ! サクサクしてて、ほんのり甘くて、こ、こんなの……すごく酒に合いそう……」
「辛い酒が欲しくなる」
「こんな料理があったとは…………」

 良かった、これなら名物料理として期待できそうだな。
 リオルと顔を見合わせてにっこりと笑い、俺はもう一度三人に訊いた。

「で、これって名物料理になると思う?」

 そう言うと――――思っても見ない反応が返ってきた。

「こ、これは悪魔の料理だよツカサ君……こんなの出して大丈夫なの……?」
「売り方によっては暴動が起こりかねん……」
「確かに……。天ぷら……恐ろしい料理だ……」

 …………うん。……うん?
 なにこれ、アウトってこと?











※次はいちゃいちゃヽ(*・ω・)ノ
 天ぷらいいですよね天ぷら。天ざる食べたいです。
 
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