527 / 1,264
湖畔村トランクル、湖の村で小休憩編
11.「食べる」という単語に色気を見出した人類に乾杯
しおりを挟むトランクルに戻ってきた俺は、おもいっきりやる気だった。
何をって、そりゃあもう料理や庭いじりをですよ。
だけど、その前に俺達はマイルズさんの所へ寄って、ベッドの具合を確かめねばならない。しかし健康的な生活を送るには、適度な睡眠が必要だ。ということで、俺達は数時間の仮眠をとってから、遅めの昼食の前に湖へと向かった。
お昼食べるとまた寝ちまうかもしれんからな!
まあそんな事を心配しながらマイルズさんの小屋に着くと、相手は俺達を朗らかに迎えてくれたが、ベッド枠の話題になると自信無げな顔になってしまった。
まだマットレス的な物が入っていない枠だけのベッドは、見るだけでもそりゃあ大したものだと思ったんだけど、マイルズさん的には強度に不安があるらしい。
とりあえず座らせてみるかと言う事で、俺達の中で一番マッチョで重いクロウをベッドに座らせてみたのだが――――結果は大破だった。
そりゃもう見事に、座った所からぱっかーんと……。
思わずマイルズさんに謝ってしまったが、相手は「余ってた木材だから仕方がない」と許してくれたどころか、逆に謝られてしまった。
物凄く申し訳ないけど、しかしこれが大人の対応って奴なんだよなぁ……いや、今はそんな事を言ってる場合ではなく。とにかく、小屋にある木材ではブラック達のベッドは作れないらしい。
ブラックは「なくてもいいよ」とかほざいてたが、そんな訳にもいかないので、俺はマイルズさんにどのような材料が望ましいかを聞いて、どうにか揃える方法がないか調べてみる事にした。
マイルズさんが言うには、強度を重視するならアコール卿国北部に自生している“紫檀ヒマキ”という木が最適とのことだったが、なにせ高い木材らしいので、このあたりの木材を使うとなると強化剤と言う薬剤が必要になるらしい。
……俺達でも入手できる物となったら、やっぱ薬剤しかないかな?
明日ざっと持ってる本や百科事典を浚ってみるか。
可及的速やかにベッドを用意しないと俺のケツが死んでしまうかもしれないので、こっちも頑張ろう。
――――と言う訳で、予定通りに貸家に戻ってきた俺達は、昼食を摂る事にした。もちろん、料理人は俺である。
今回はオッサン達を労う意味もあるから仕方ないね。
「しっかし……すっごいキッチンだな」
改めて貸家のキッチンを見て、俺は思わず「ほう」と息を吐く。
だってさ、三口のかまどとタイル張りの流し台に加えて、なんとオーブン代わりの焼き釜まであるんだぜ!? ピザ作れるよピザ! 作った事ないけど!!
これほど設備が整っていたら、俺が食べたかったジャンクフードやおやつも簡単に出来ちゃうかもしれない。……まあ、俺の料理の腕や材料は別として。
「つーかまず材料だよなあ……」
俺は買って来たものを並べて、ふうと溜息を吐く。
そう、そうなのだ。セイフトの街でそれなりに食材は買って来たけど、それらで俺が望んでいる料理を作れるかと言うと、実際のところ微妙な感じだった。
実はそろそろ牛丼やトンカツなどが恋しくなってきたんだが、この世界の庶民食と来たら質素倹約でも強いられてるのかレベルで味が薄いし、料理は美味いマズイが極端でどうしようもない。
ベランデルン公国では美味い料理ばかり食べられて、まさに「満福」だったが、ライクネスはさすが中世と言ったレベルの飯のまずさだ。
多分、素材の味や地域性のせいなんだろうけど……しかし、食材があまり応用が効きそうにないのも問題なのかもしれない。
「卵に小麦粉に干し肉にパン……あとは限られた調味料か……。実際、食料品店で買えるモンは限られてんだよなあ……。パフ粉だって一般には売られてないし、油もなかったなそういや」
俺の婆ちゃんの集落にある個人商店の方が品ぞろえが豊富だ。
比べちゃいかんのかもしれんが、中々厳しいものが有る。やっぱ昔っぽい世界ってのも大変だ。これじゃ米を探すどころじゃないよなあ。
「ああ、お米食べたい……」
俺はそんなテンプレな事にならないとは思っていたけど、思い出しちゃうとやっぱり食べたくなるんだよなあ……白米……。
タレたっぷりのカルビとか梅干しとか卵かけごはんとか、とにかく味の濃い物と一緒に白米を思いっきり掻き込んで頬張りたい。今は望むべくもないが。
「ま、しゃーないよな。今日はあるもので頑張って頭捻ってみるか」
しかし、何を作るかが問題だよな。
いつまでもクラブハウスサンドってんじゃ芸がないし、何かないだろうか。
少し考えて、俺は目の前にある楕円形のちょっと奇妙な卵を見た。
「……卵か…………」
卵って栄養満点だよな。朝食べてないし、ずっしりと腹にたまる物のほうがいいかも知れない。そう考えて、俺はある料理を思い出して両手を打った。
「よっし! スペインオムレツを作ろう!」
「すぺいんオムレツ?」
「え? あ、なんだブラック来たのか。待ってていいのに」
いつの間に背後に……と思いつつも振り返ると、ブラックは苦笑したような緩い笑みを浮かべながら頬を掻いた。
「えへへ……お腹減って待ちきれなくてさ。で、すぺいんオムレツって?」
「えーっと、ケーキみたいなでっかい卵焼きって感じの食べ物」
「すごい適当な説明」
「いやだって、それ以上に説明しようが……」
お前にスペインの伝統料理だとか言っても解らんだろう。と言うか俺も詳しい事は良く解らん。婆ちゃんが「ハイカラだろ?」って作ってくれた記憶しかないし。
「まあとりあえず見てろよ」
ブラックを座らせると、俺は早速調理を開始した。
とは言っても、別段難しい事は無い。
俺が覚えている料理は、基本的には婆ちゃんと一緒に作った“子供でも出来る簡単な料理”だったり、母さんが死ぬほど作ってうんざりした記憶がある料理くらいだ。
俺の覚えているスペインオムレツもその例に漏れない。
材料はたっぷりの卵と牛乳に、旨味のある肉や魚。今回はバッグの中の在庫処分で半生の干し肉を使うが、婆ちゃんはツナとかベーコンを入れてたな。
あと、タマネギなどの野菜などもアクセントに使っていた。
上手く行くかは解らないが、この世界ではタマネギに似たタマグサを使う。
あとは塩胡椒と油だな。オリーブオイルが望ましいが、今回は普通の油だ。
「えーっと、荒めに切った材料を炒めて……」
深めのフライパンに油を引き、タマグサと干し肉が柔らかくなる程度に炒める。
半生の干し肉はそれほど塩に漬けられていないので、むしろそのまま使う方がベーコンに似た感じでとても美味しく食べられる。まあ、長期保存用の干し肉は、塩がきつくて多少抜かなきゃ行けないんだけどね。
閑話休題。
フライパンが熱い内に、別の容器で牛乳と混ぜしっかりと溶いておいた卵を流し入れ、具材と混ぜて少し固まって来たら火を中火に近い弱火にまで落とす。
そんで、丸くなるように形を整え、蓋を使って何度かひっくり返しながら両面をじりじりと焼いて焼き色が付けば完成だ。なんか巻かない卵焼きって感じだよな。
あとは広いお皿にポンと載せれば出来上がり。
肉っ気のある卵焼きとは……? なんて最初は思ったもんだが、食べてみると意外と美味いから料理って解んないもんだ。
「よっ、と……はいお待ち! ナイフ渡すから、クロウと適当に分けて食べて」
「わぁあ……! な、なんか本当にケーキみたいだね……! でも肉の良い匂いがして凄く美味しそう……。あれ、でも熊公とって……ツカサ君は?」
「俺は後片付けしなくちゃだし、残りもん食うから良いよ。干し肉も置いといたら腐っちまうしなー」
それに、後片付けが終わったらすぐに庭に出たいからな。
この台所は勝手口が有って、そこからすぐに庭に出られるんだ。
夜になる前に植えておきたいものもあるし、メシ詰め込んだらすぐに行動しなきゃならん。何せやる事が沢山あるんだから!
などと思っていたら、ブラックが不機嫌そうな顔を視界に割り込ませてきた。
「もー、駄目だよツカサ君! なに使用人みたいな事言ってんのさ! あの駄熊と二人っきりでご飯食べたって何にも楽しくないし、ツカサ君の美味しい料理の味がアイツのせいで二段階くらい落ちちゃうよ!」
「いやそれは我慢し」
「ヤダ。ツカサ君と一緒が良い! せっかく気兼ねなくイチャイチャ出来る場所に来たって言うのに……」
そんな事を言いつつ、ブラックは俺をじりじりと台所のシンクへと追い詰める。
思わず後退って腰のあたりを流し台にぶつけてしまうが、ブラックは更に逃げ場をなくすために両手で流し台の縁を掴み、俺を腕の中に閉じ込めてしまう。
これは、ちょっとヤバい。
若干青ざめてブラックを見上げるが、相手は不機嫌そうな顔のままだ。
「ツカサ君……僕達恋人だよね?」
「ん?! う……。まぁ……」
「恋人ってさ、別々にご飯食べるの? 僕そんな奴ら見た事ないよ」
「そりゃ人に見える場所でやらないだけだろ。家じゃ普通じゃないの?」
「普通じゃないの!! も~~~っ、ツカサ君の鈍感、分からず屋、どーしてそんなに淡白なんだよぉおお!」
言いたい事は解らんでもないけど、お前の台詞が全部「美少女だったらすんなり成立したのになあ」って台詞にしか思えなくてヤバい。
ブラック、アンタ三十路も後半だろ。もうすぐ四十路だろ。
俺の父さんとあんまし変わんない年齢だってのに、その発言はちょっとヤバいのではないか。そりゃ恋人ですけども、どっちかって言うと、その発言って俺が言うべきなんじゃ……。いや絶対言いたくないが。
「ツカサ君、本当自覚してくれないよねえ……。恋人だって事もそうだけど、そう言う風に誰かを無自覚に煽ったりしてさあ」
「あ、煽るって……」
は? 何言ってんのこいつ。
大丈夫か、春の陽気で本格的に頭が沸いて来てないか?
「ねえ、ツカサ君のそう言う鈍感さで、僕がどのくらいやきもきしてたか解る?」
顔が、近付いて来る。
ちょっと不機嫌そうな顔をしたブラックは、眉間にしわを寄せていて、いつものだらけた表情なんて欠片も無い。
眉間にしわが寄って、目が睨むかのようにすうっと細くなる。本当なら、怒られていると思うべきなのに……俺はと言うと……何故か、急に胸がドキドキして来てたまらなくなってしまっていた。
「っ……」
な、なんでだろ。どうしてこんな急に。
いやでも、あの、なんかその、真面目な顔してるブラックってレアっていうか、間近でこんなシブい顔されると、なんか、その……。
「なんで顔赤いの、ツカサ君」
「ぃ……あの……」
「……ふーん? …………ふふ……。ツカサ君って、ほんと僕の顔好きだよねえ」
「え゛っ?!」
苦み走った顔のままにやりと笑ったブラックに、変な声が出る。
まっ……は? はぁ!?
なにその、顔が好きって……お、おれオッサンの顔見て喜ぶ趣味なんて……っ
「雄臭い顔の僕、そんなに好みだった? ふ、ふふふ……可愛いなあ、そんなに顔を赤くして、目を潤ませて……」
粘っこい声を零しながら、ブラックは更に俺に近付いて来る。
そんな訳ないだろうが、と、反射的に言いそうになった口をいきなり塞がれた。
「んんん゛っ!?」
待って待って待っていきなりすぎて訳解んないんだけど!!
お、俺別にアンタの顔が好きとかじゃ……。
「はっ……はふっ、んむ……」
「ん゛ぅっ……! んっ、ぅんん……っ!」
い、息しないで、頼むからこの状態で吐息出さないで!
耳がゾワゾワする、恥ずかしくて体が燃えそうに熱い、たえきれない。
やめろとブラックの胸を叩くが、それが相手を意固地にさせるのか俺を深く抱き込み背中に手を這わせて来る。
大きな掌が背中にぐっと張り付いた感触があまりにも生々しくて、俺は鳥肌が立つような衝撃に体を震わせた。
「んっ、ふあっ、ぁ……! やだっ、や、なぞるな……っ!」
「ふ、んふふ……また内股になってるよツカサ君……? はぁ、はっ……はは……可愛すぎ……お、お昼前に、先にツカサ君を頂いちゃおっかなぁ……?」
「ぃ、やだ、って……も……っ! ばかっ、すけべおやじぃい……!!」
何でお前はそういう気持ち悪い事しか言えないんだよ!!
つーか飯! 飯食えよお! 冷えるだろバカっ、ばかばかばかばかあああ!!
いい加減にしろよ、と震えはじめる体を必死に抑えて腕を振り上げようとすると――ブラックは、気持ち悪い笑みをにたにたと浮かべながら鼻と口を覆った。
「つかさくっ……あぁ……もう、駄目だなぁ……!」
「へ……?」
何がダメなんだと思わず顔を歪めると、ブラックは俺の顔を愉しそうに眺めて俺の唇をべろんと舐めて来た。
「んん゛っ!?」
「ほら……そうやってすぐに男を誘う様な顔をしたり、可愛い事言ったりして……ツカサ君がそんな風に無防備だから、僕もあの熊公も興奮しちゃうんだよ?」
「そっ……! あ、アホかぁ!! いつだれがお前らを誘ったんだよっ!! 俺はただ、こ、こんな所で発情されても困るから……っ」
興奮って何だよ、俺なにもしてないのに。
アンタらが俺の行動に一々変な反応してるだけじゃないか、なのにどうして俺が責められなきゃ行けないんだよ。
ああもう、ほんとこのオッサン達ワケ解んない!!
何でも良いから早く離せよお、もぉお……!
「そういう顔が興奮させるんだけどなあ……」
呆れたような声を出して俺をじいっと見つめてくる相手に、俺は負けてたまるかと涙目をごしごしと拭って睨み付ける。
この状態でガン付けられて怯むなんて、絶対にやりたくない。
……だいたい、悪いのはブラックなんだからな!!
変な事言って急に興奮して、突然俺にキスしたりなんかして……お前がキスしなきゃ、俺だってこんな、へ、変な事にはならなかったのに……!
そんな思いを込めて睨み返していると……ブラックは目をすうっと細めて、俺を優しく解放した。そりゃもう、何事も無かったかのように。
…………あれ。あれれ?
ブラックってこんなに聞きわけ良かったっけ……?
「ぶ、ブラック?」
思わず呆気にとられた顔で見上げると、相手は猫のように目を細めたままで、口だけを笑みに歪ませる。
「まあ、いいよ。そういうのは、後にしようか。……だけどさ、ツカサ君。お昼を食べるならやっぱり一緒に食べようよ。僕、嫌だよ? 大好きなツカサ君が作ってくれた料理を、ツカサ君の居ない場所で食べるなんて……」
「え……」
「いっしょに、食べよ?」
そんな事、思ってたのか。
だから、さっきはあんな真剣な表情して怒ってた……怒ってたよな? 怒ってたのかな……? そっか……ブラックはブラックなりに俺の事思ってくれてたのか。
そう言えば、手料理を作った時は必ず目の前で食べて貰ってたな。
二人に満足して貰えるか心配だったから、俺は付き添っていたんだが……どうやら、ブラックはそう言う団欒が好きだったらしい。
……まあ、そんな事はさっさと口で言えよとは思ったし、簡単に興奮して流され過ぎだろとは思ったが……まあいい。結果的に治まってくれたんだから。
いつもみたいにヤられなかっただけ僥倖だ。
「ツカサ君……」
催促するように、ブラックが俺をじいっと見つめて来る。
その情けない顔に、俺はまた少し胸が痛くなったが……小さく頷いた。
「解ったよ。……でも、あのオムレツはお前らのた……お、お前ら用に作ったんだから、俺は食べないからな」
「ふふ……解ってる解ってる。さあ、ご飯食べよっか! 早くしないとツカサ君の美味しいオムレツが冷めちゃうよ~!」
俺がもう逃げないと解ったからなのか、ブラックは人懐っこい笑みを満面に浮かべて、オムレツを持って台所から飛び出す。
まるで子供な行動に俺は苦笑して、ゆっくりと後に続いた。
…………そっか、そうだよな。同じ家の中に居るのに離れて食事をするなんて、考えてみれば随分と寂しい事じゃないか。
逆の立場なら、そりゃ一緒に食べたいって思うよな。
俺……張り切りすぎたせいで、ブラックをないがしろにし過ぎたんだな。
思えば、俺は自分のやりたい事を優先して二人の事は二の次にしていた。そんなのパーティーを組んでる奴のやる事じゃ無いよな。
うん、反省しよう。……そうだな、二人が食べ終わったら、やりたい事を聞いて、その中でそれぞれスケジュールを決めよう。
この家には俺一人が逗留するんじゃない。俺の大事な奴が、二人もいるんだ。
大事なら、ちゃんと時間の使い方を相談して三人で納得出来るルールとかを決めていかなきゃ。それがルームシェアってもんだよな、多分!
「よっし、じゃあまずは簡単なルールでも話し合ってみるか」
ルールとは言っても、別に堅苦しい物じゃない。
さっきの話みたいに「必ず三人で食事をする」とか、掃除当番を決めておくだとか……考えてみれば、色々と決めなきゃいけない事はあったな。
台所での変な事態にならない為にも、ちゃんと話し合わなければ。
…………そうじゃないと、いくら心臓とケツがあっても足りなさそうだし。
「……良く考えたら……あの性欲の権化のオッサン二人とルームシェアって……物凄く嫌な予感しかしないな……」
えっちの回数も決めておいたほうが良いんだろうか。
……そんなの考えたくもないし決めたくもなかったんだけどな!!
ああもう、なんかまた泣きたくなってきた!
→
11
お気に入りに追加
3,610
あなたにおすすめの小説
義理姉がかわいそうと言われましても、私には関係の無い事です
渡辺 佐倉
恋愛
マーガレットは政略で伯爵家に嫁いだ。
愛の無い結婚であったがお互いに尊重し合って結婚生活をおくっていければいいと思っていたが、伯爵である夫はことあるごとに、離婚して実家である伯爵家に帰ってきているマーガレットにとっての義姉達を優先ばかりする。
そんな生活に耐えかねたマーガレットは…
結末は見方によって色々系だと思います。
なろうにも同じものを掲載しています。
悪役令嬢になりたくない(そもそも違う)勘違い令嬢は王太子から逃げる事にしました~なぜか逆に囲い込まれました~
咲桜りおな
恋愛
四大公爵家の一つレナード公爵家の令嬢エミリア・レナードは日本人だった前世の記憶持ち。
記憶が戻ったのは五歳の時で、
翌日には王太子の誕生日祝いのお茶会開催が控えており
その場は王太子の婚約者や側近を見定める事が目的な集まりである事(暗黙の了解であり周知の事実)、
自分が公爵家の令嬢である事、
王子やその周りの未来の重要人物らしき人達が皆イケメン揃いである事、
何故か縦ロールの髪型を好んでいる自分の姿、
そして転生モノではよくあるなんちゃってヨーロッパ風な世界である事などを考えると……
どうやら自分は悪役令嬢として転生してしまった様な気がする。
これはマズイ!と慌てて今まで読んで来た転生モノよろしく
悪役令嬢にならない様にまずは王太子との婚約を逃れる為に対策を取って
翌日のお茶会へと挑むけれど、よりにもよってとある失態をやらかした上に
避けなければいけなかった王太子の婚約者にも決定してしまった。
そうなれば今度は婚約破棄を目指す為に悪戦苦闘を繰り広げるエミリアだが
腹黒王太子がそれを許す訳がなかった。
そしてそんな勘違い妹を心配性のお兄ちゃんも見守っていて……。
悪役令嬢になりたくないと奮闘するエミリアと
最初から逃す気のない腹黒王太子の恋のラブコメです☆
世界設定は少し緩めなので気にしない人推奨。
BL短編
水無月
BL
『笹葉と氷河』
・どこか歪で何かが欠けたふたりのお話です。一話目の出会いは陰鬱としていますが、あとはイチャイチャしているだけです。笹葉はエリートで豪邸住まいの変態で、氷河は口悪い美人です。氷河が受け。
胸糞が苦手なら、二話から読んでも大丈夫です。
『輝夜たち』
・シェアハウスで暮らしている三人が、会社にいる嫌な人と戦うお話。ざまぁを目指しましたが……、初めてなので大目に見てください。
『ケモ耳学園ネコ科クラス』
・敏感な体質のせいで毛づくろいでも変な気分になってしまうツェイ。今度の実技テストは毛づくろい。それを乗り切るために部活仲間のミョンに助けを求めるが、幼馴染でカースト上位のドロテが割って入ってきて……
猫団子三匹がぺろぺろし合うお話です。
『夏は終わりだ短編集』
・ここに完結済みの番外編を投稿していきます。
・スペシャルはコラボ回のようなもので、書いてて楽しかったです私が。とても。
・挿絵は自作です。
『その他』
・書ききれなくなってきたので、その他で纏めておきます。
※不定期更新です。
婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた
cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。
お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。
婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。
過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。
ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。
婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。
明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。
「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。
そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。
茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。
幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。
「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?!
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
趣味を極めて自由に生きろ! ただし、神々は愛し子に異世界改革をお望みです
紫南
ファンタジー
魔法が衰退し、魔導具の補助なしに扱うことが出来なくなった世界。
公爵家の第二子として生まれたフィルズは、幼い頃から断片的に前世の記憶を夢で見ていた。
そのため、精神的にも早熟で、正妻とフィルズの母である第二夫人との折り合いの悪さに辟易する毎日。
ストレス解消のため、趣味だったパズル、プラモなどなど、細かい工作がしたいと、密かな不満が募っていく。
そこで、変身セットで身分を隠して活動開始。
自立心が高く、早々に冒険者の身分を手に入れ、コソコソと独自の魔導具を開発して、日々の暮らしに便利さを追加していく。
そんな中、この世界の神々から使命を与えられてーーー?
口は悪いが、見た目は母親似の美少女!?
ハイスペックな少年が世界を変えていく!
異世界改革ファンタジー!
息抜きに始めた作品です。
みなさんも息抜きにどうぞ◎
肩肘張らずに気楽に楽しんでほしい作品です!
4番目の許婚候補
富樫 聖夜
恋愛
愛美は家出をした従姉妹の舞の代わりに結婚することになるかも、と突然告げられた。どうも昔からの約束で従姉妹の中から誰かが嫁に行かないといけないらしい。順番からいえば4番目の許婚候補なので、よもや自分に回ってくることはないと安堵した愛美だったが、偶然にも就職先は例の許婚がいる会社。所属部署も同じになってしまい、何だかいろいろバレないようにヒヤヒヤする日々を送るハメになる。おまけに関わらないように距離を置いて接していたのに例の許婚――佐伯彰人――がどういうわけか愛美に大接近。4番目の許婚候補だってバレた!? それとも――? ラブコメです。――――アルファポリス様より書籍化されました。本編削除済みです。
スキルが生えてくる世界に転生したっぽい話
明和里苳
ファンタジー
物心ついた時から、自分だけが見えたウインドウ。
どうやらスキルが生える世界に生まれてきたようです。
生えるなら、生やすしかないじゃない。
クラウス、行きます。
◆ 他サイトにも掲載しています。
縦ロールをやめたら愛されました。
えんどう
恋愛
縦ロールは令嬢の命!!と頑なにその髪型を守ってきた公爵令嬢のシャルロット。
「お前を愛することはない。これは政略結婚だ、余計なものを求めてくれるな」
──そう言っていた婚約者が結婚して縦ロールをやめた途端に急に甘ったるい視線を向けて愛を囁くようになったのは何故?
これは私の友人がゴスロリやめて清楚系に走った途端にモテ始めた話に基づくような基づかないような。
追記:3.21
忙しさに落ち着きが見えそうなのでゆっくり更新再開します。需要があるかわかりませんが1人でも続きを待ってくれる人がいらっしゃるかもしれないので…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる