102 / 110
102話 犯人は裕二
しおりを挟む映像を確認していたシュンと刑事はようやく事件当日の映像にたどり着いた。
「あっ…映ってますね」
刑事は映像を止めて拡大した。
「え…」
「こいつは…⁈」
2人は目を疑った。
「嘘だろ…⁈」
「こいつ、岡田裕二ですよ‼︎クソー‼︎あいつ‼︎」
映像に映っていたのは岡田裕二だった。
斉藤を殺したのは裕二だったのだ。
シュンは怒りのあまり壁を思い切り殴った。
まさかっ…
胸騒ぎがしたシュンはスミに電話をかけた。
だが繋がらず黒川社長に電話をかけた。
「社長っ、お疲れ様です」
「スミは⁈」
「えっ…あ…今、屋上に居ます」
「屋上⁈どうして⁈」
「それがですね…斉藤を殺した犯人を知ってるって人と…」
「今すぐ屋上に行ってくれ!!」
「えっ?」
「岡田が犯人だったんだよ‼︎」
「えっ⁈ほっ…本当ですか⁈じゃあ今スミさんが会ってる人って…」
「あいつだ‼︎俺も今からそっちに行くから‼︎」
「わかりましたっ‼︎今から屋上に行きますっ」
電話を切ると黒川社長は急いで屋上に行った。
シュンは刑事を連れ柳本グループに向かった。
黒川社長は屋上の扉を開けた。
おっ…岡田⁈
黒川社長に気づいた裕二はスミにナイフを突き付けた。
「やっ…やめろっ‼︎」
「今すぐここから出て行け!出て行かないとこいつを殺すぞっ」
「わっ…わかった。出て行くからナイフを離せっ‼︎」
裕二はナイフを離した。
「早く行けっ!」
黒川社長はゆっくりと出て行き扉を閉めた。
一体どうすればいいんだ…
黒川社長はシュンに電話をかけた。
「社長っ…すみません」
「どうしたっ⁈」
「出て行かないとスミさんを殺すって…ナイフを突き付けていたので屋上から離れました」
「えっ⁈やっぱり岡田だったんだな?」
「はい」
「もうすぐ着くから‼︎」
「警察も一緒ですか?」
「ああ。でもそんな状況なら俺1人で行く」
シュンたちが柳本グループに着くと警察が一気に車から降りて来た。
「屋上へは僕1人で行きます」
「えっ」
「人質がいるんです。突入すると何するかわかりませんので1時間後に来て下さい。それまでに何とかしてみます」
そう言うとシュンは急いで中へ入って行った。
屋上の扉付近で黒川社長がシュンを待っていた。
「社長っ」
「スミは大丈夫かっ⁈」
「はい…でも…」
「何だ⁈」
「スミさんの体が心配です」
「え?」
「スミさん…妊娠してるんです…」
「妊…娠…?」
「昨日わかって今日社長に報告するって言ってました」
スミ!!
スミのお腹に俺の子が…
スミ…俺がスミと子供を守るから…
必ず守ってみせるっ‼︎
シュンは屋上の扉を開けた。
1
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
心の声が聞こえる私は、婚約者から嫌われていることを知っている。
木山楽斗
恋愛
人の心の声が聞こえるカルミアは、婚約者が自分のことを嫌っていることを知っていた。
そんな婚約者といつまでも一緒にいるつもりはない。そう思っていたカルミアは、彼といつか婚約破棄すると決めていた。
ある時、カルミアは婚約者が浮気していることを心の声によって知った。
そこで、カルミアは、友人のロウィードに協力してもらい、浮気の証拠を集めて、婚約者に突きつけたのである。
こうして、カルミアは婚約破棄して、自分を嫌っている婚約者から解放されるのだった。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
夫の不貞現場を目撃してしまいました
秋月乃衣
恋愛
伯爵夫人ミレーユは、夫との間に子供が授からないまま、閨を共にしなくなって一年。
何故か夫から閨を拒否されてしまっているが、理由が分からない。
そんな時に夜会中の庭園で、夫と未亡人のマデリーンが、情事に耽っている場面を目撃してしまう。
なろう様でも掲載しております。
彼女が望むなら
mios
恋愛
公爵令嬢と王太子殿下の婚約は円満に解消された。揉めるかと思っていた男爵令嬢リリスは、拍子抜けした。男爵令嬢という身分でも、王妃になれるなんて、予定とは違うが高位貴族は皆好意的だし、王太子殿下の元婚約者も応援してくれている。
リリスは王太子妃教育を受ける為、王妃と会い、そこで常に身につけるようにと、ある首飾りを渡される。
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
【完結】ええと?あなたはどなたでしたか?
ここ
恋愛
アリサの婚約者ミゲルは、婚約のときから、平凡なアリサが気に入らなかった。
アリサはそれに気づいていたが、政略結婚に逆らえない。
15歳と16歳になった2人。ミゲルには恋人ができていた。マーシャという綺麗な令嬢だ。邪魔なアリサにこわい思いをさせて、婚約解消をねらうが、事態は思わぬ方向に。
【完結】烏公爵の後妻〜旦那様は亡き前妻を想い、一生喪に服すらしい〜
七瀬菜々
恋愛
------ウィンターソン公爵の元に嫁ぎなさい。
ある日突然、兄がそう言った。
魔力がなく魔術師にもなれなければ、女というだけで父と同じ医者にもなれないシャロンは『自分にできることは家のためになる結婚をすること』と、日々婚活を頑張っていた。
しかし、表情を作ることが苦手な彼女の婚活はそううまくいくはずも無く…。
そろそろ諦めて修道院にで入ろうかと思っていた矢先、突然にウィンターソン公爵との縁談が持ち上がる。
ウィンターソン公爵といえば、亡き妻エミリアのことが忘れられず、5年間ずっと喪に服したままで有名な男だ。
前妻を今でも愛している公爵は、シャロンに対して予め『自分に愛されないことを受け入れろ』という誓約書を書かせるほどに徹底していた。
これはそんなウィンターソン公爵の後妻シャロンの愛されないはずの結婚の物語である。
※基本的にちょっと残念な夫婦のお話です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる