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第2章
87話 2度目の監禁
しおりを挟むこの日、弁護士と会っていたシュンは22時過ぎに帰宅してスミに電話をかけた。
出ないな…
もう寝てるのかな…
シュンはメールを送った。
『スミ…寝てるのかな…
今日弁護士と会って来たよ。
間違いなく長引きそうだよ。
明日ゆっくり話そう。おやすみ』
メールの内容を勝手に見た裕二はスミの携帯を床に投げつけた。
あいつ…
弁護士立てようとしてるのか!!
フフッ…無駄な事しやがって!!
そしてしばらくするとスミが目を覚ました。
え…ここは…?
えっ⁈何これ‼︎
スミはロープで縛られていたのだ。
目の前に裕二が座って酒を飲んでいた。
「ゆっ…裕二っ‼︎」
「起きたか」
「ど…どうして?どうしてここに居るのよ‼︎」
「お前が眠ったからわざわざ家に連れて来たんだよ。懐かしいだろ。俺たちの家」
「眠ったって…え?ま…まさか…」
「そうだよ。カフェオレに睡眠薬入れてやった」
「そ…そんな…じゃ離婚してくれるって言ったのは…」
「する訳ないじゃん。名演技だったろ俺?」
「…あなたって人は‼︎こんな事が許されると思ってるの⁈」
「うるせーな‼︎またガムテープで口塞ぐぞ!」
スミは必死でロープを解こうとするがびくともしない。
嘘でしょ…嵌められた…
「今回は逃がさないからな‼︎」
「…少しでもあなたの言う事を信じた私が馬鹿だった…」
悔しくて涙が出てきた。
「あらら…泣いちゃって。可哀想に」
裕二が雑巾でスミの目から流れる涙を拭こうとするとスミは裕二の顔に唾を吐いた。
「おっ、お前‼︎何しやがる‼︎」
「あんたは最低最悪のクズよ‼︎」
「何っ!!お前ーっ!!」
頭に血が上った裕二は思い切りスミを蹴り飛ばした。
スミは必死で我慢した。
「もっとやりなさいよ‼︎」
すると裕二は蹴るのを止めた。
ちょっと待てよ…
見えるとこにアザができたらヤバいな…
そう思った裕二はお湯の入ったポットを手にした。
「え…なっ何するの⁈」
裕二はポットのお湯をスミの胸を目がけてかけた。
スミは必死で歯を食いしばった。
「俺様に唾かけやがって!何が最低最悪のクズだよ‼︎ふざけやがって‼︎」
スミは我慢できず熱さのあまり床に倒れ込んだ。
「どれどれ」
裕二はスミを縛っているロープの間から服をめくり胸を見た。
「あらら大変、ただれてるよ。冷やさなきゃね」
そう言うと裕二は蛇口からバケツに水を汲みスミに思い切りかけた。
びしょ濡れになったスミはぐったりし言葉も出なかった。
「俺を怒らせるとこういう事になるんだからな!調子に乗るんじゃねーぞ‼︎」
そのまま裕二はスミを放置して寝室へ行った。
翌朝起きてきた裕二がスミの様子を見に行くと、スミはびしょ濡れのまま寒さで震えていた。
「おい!いつまで横たわってんだよ。ロープ解くから起き上がれ」
スミはゆっくり起き上がった。
「今日は俺、会社行かずにここに居るからロープ解いてやるだけだからな」
ロープを解くとスミにスウェットを渡した。
「これに着替えろ」
スミはスウェットを手にして着替えに行こうとした。
「おい‼︎ここで着替えろ」
スミは言われるがままその場で着替えた。
「胸の周り火傷ですごい事になってるぞ。さすがにあいつに見せられないね。あまりの酷さに引かれちゃうよ」
スミは涙が溢れ出した。
「あらら可哀想に。大丈夫だよ、もうあいつに会うことはないから」
その後も裕二はスミをずっと監視し、夕方になった。
「夕食作れよ。食材は買っといてやったから」
スミは黙ってキッチンへ行った。
「おい!返事くらいしろよ‼︎」
「…はい」
裕二はキッチンに立つスミの背後に回るとお尻を触った。
「これからは俺の言う通りにしろよ。わかったか⁈」
「…はい」
「抱いてやってもいいけどお前の火傷の跡見たらしばらく無理だわ…ちょっと失敗したな…」
今すぐにでも殺したい…
完全にイカれてる…
野菜を切っている包丁を見ながらスミは必死で我慢した。
裕二は食事が終わるとスミを浴室に連れて行った。
「シャワー浴びろよ。俺がちゃんと見てるから」
スミは黙って服を脱ぎシャワーを浴びてみたが胸の火傷が疼き出し思わずシャワーを止めた。
「あ~無理だな。早くその傷隠して出ろ!俺がシャワー終わるまでそこに座ってろ」
裕二は浴室を出るとスミをまたロープで縛り、以前監禁した部屋に閉じ込めて外から鍵をかけた。
「今回はちゃんと布団があるだろ‼︎感謝しろよ!」
そう言って裕二は寝室に行った。
スミにとって2度目の監禁生活が始まった。
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