プラグマ 〜永続的な愛〜【完結】

真凛 桃

文字の大きさ
上 下
65 / 102
第2章

65話 クズはクズ

しおりを挟む

翌日、秘書は取引先の件で黒川専務と会っていた。


「どういう事?買収しない上に取引先まで返すって」

「それが実は…柳本グループは柳本社長の会社じゃなく柳本社長の奥さんの会社だったんです」

「えっ⁈それ本当か⁈」

「はい。だから買収できなくて」

「…知らなかった」

「もっと早くわかっていれば、社長も会長とあんな約束しなかったのに…」

「約束って?」

「買収できなかったら離婚しないって会長と約束されてるんです」

「え…じゃあもう柳本の奥さんとは…」

「いいえ。プライド捨てて会長に再度お願いするみたいです」

「でも会長はもう聞いてくれないだろ」

「そう思います。その時は社長…会社辞める覚悟です」

「えっ⁈嘘だろ…そこまでして…」

「僕もどうしたらいいか…」

「今すぐ地曽田グループに戻りたいけど…柳本社長は何か裏がありそうで探りたいんだ」

「でも社長がもう何もしなくていいと黒川専務に伝えるように言われたんですが」

「柳本社長の奥さんの会社だとわかった以上、会社には非がないようにする。あくまで個人的に柳本社長が許せないだけだから」

「わかりました。僕も柳本社長のことは許せませんので個人的な調査は続けるつもりです」

「何かわかった事はあるのか?」

「多分…女がいます」

「マジか…とことんクズだな」

「ですね。あ…それと取引先の件ですが、今日で元々柳本グループの取引先はうちとの取引きを止めました。かなり皆さんご立腹でしたが…なので後はそちらでよろしくお願いします」

「柳本社長の喜ぶ姿思い浮かべるとあまり気が乗らないけど社長の指示なら…わかったよ」

「ありがとうございます。ではそろそろ会社に戻りますね。また何かありましたら連絡します」

「ああ。社長を頼むぞ」


2人はそれぞれの会社に戻った。



全ての会社と再取引きをした専務は、裕二に報告をしに行った。


「全部戻ってきたのかっ⁈」

「…はい」

「そうか…わかった」


専務が出て行くと裕二は立ち上がり両手を上げた。


「ヒャッホ~ッッ」


地曽田の野郎、とうとうスミの会社だという事を知ったんだなっ‼︎
これで地曽田は離婚できず、スミが戻って来るのは時間の問題だな…
今まで以上にコキ使ってやる‼︎
覚えてろよ!
ハハハハハ…いい気味だ!!


ドアの外にいた専務は裕二の高笑いが聞こえ悔しくてたまらなかった。


ご機嫌な裕二はふとアキのことを思い出した。


そういえばアキ元気かな~久々に…
でもあの女…結局は俺を金として見てたんだ…
いや、でも久々にアキとヤリて~な~


裕二は思い切ってアキに電話をかけた。


「もしもし?」

「あっ…アキ!久しぶり」

「え?どちら様ですか?」

「はっ?俺だよ!裕二!」

「…あっ…」

「何?俺の番号消したの⁈」

「…うん」

「ひでーなー。元気だった?久しぶり会わない?」

「私…」

「え?アキも久しぶりに俺に抱かれたいだろ?」

「私、結婚したから」

「え⁈アキ結婚したの⁈」

「だからもう電話しないで」

「でもそれとこれとは別じゃん。会お~よ。久しぶりにアキと燃えたいな~」

「…相変わらず…クズね」


そう言ってアキは電話を切った。


「おいっ!アキ⁈アキ‼︎」


ったく何だよ‼︎ゲス女!!







しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

愛のかたち

凛子
恋愛
プライドが邪魔をして素直になれない夫(白藤翔)。しかし夫の気持ちはちゃんと妻(彩華)に伝わっていた。そんな夫婦に訪れた突然の別れ。 ある人物の粋な計らいによって再会を果たした二人は…… 情けない男の不器用な愛。

crazy Love 〜元彼上司と復縁しますか?〜

鳴宮鶉子
恋愛
crazy Love 〜元彼上司と復縁しますか?〜

Princess story 〜御曹司とは付き合いません〜

鳴宮鶉子
恋愛
Princess story 〜御曹司とは付き合いません〜

裏切りの代償

中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。 尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。 取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。 自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ

シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。  だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。 かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。 だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。 「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。 国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。 そして、勇者は 死んだ。 ──はずだった。 十年後。 王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。 しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。 「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」 これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。 彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。

人質王女の恋

小ろく
恋愛
先の戦争で傷を負った王女ミシェルは顔に大きな痣が残ってしまい、ベールで隠し人目から隠れて過ごしていた。 数年後、隣国の裏切りで亡国の危機が訪れる。 それを救ったのは、今まで国交のなかった強大国ヒューブレイン。 両国の国交正常化まで、ミシェルを人質としてヒューブレインで預かることになる。 聡明で清楚なミシェルに、国王アスランは惹かれていく。ミシェルも誠実で美しいアスランに惹かれていくが、顔の痣がアスランへの想いを止める。 傷を持つ王女と一途な国王の恋の話。

番から逃げる事にしました

みん
恋愛
リュシエンヌには前世の記憶がある。 前世で人間だった彼女は、結婚を目前に控えたある日、熊族の獣人の番だと判明し、そのまま熊族の領地へ連れ去られてしまった。それからの彼女の人生は大変なもので、最期は番だった自分を恨むように生涯を閉じた。 彼女は200年後、今度は自分が豹の獣人として生まれ変わっていた。そして、そんな記憶を持ったリュシエンヌが番と出会ってしまい、そこから、色んな事に巻き込まれる事になる─と、言うお話です。 ❋相変わらずのゆるふわ設定で、メンタルも豆腐並なので、軽い気持ちで読んで下さい。 ❋独自設定有りです。 ❋他視点の話もあります。 ❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。

処理中です...