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第1章
11話 マリの想い
しおりを挟む「お婆さんっ‼︎」
「マ、マリさん⁈」
「お元気でしたか?」
「どうしてここに?」
「お婆さんに会いに来ました」
お婆さんは驚いていたが、マリを家の中へ案内すると温かいお茶を出してくれた。
「ありがとうございます。頂きます」
「どうだい?テグと恋人になれて」
「…幸せです」
「良かった」
「お婆さんのお孫さんって、ウクさんだったんですね。びっくりしました」
「マリさんがテグの恋人になりたいって言った時、ウクに会うだろうとは思ってたけどね…テグのマネージャーだから」
「あ…なるほど…」
「マリさん…私に話があるんだろ?」
「…はい」
「大体の想像はつくけど、言ってごらん」
「お婆さん…私、テグと離れたくないんです」
「、、、、」
「本気になっちゃいけないって分かってたけど…無理でした」
「テグにも本気にさせてしまったしね」
「…お婆さん‼︎どうしたらいいですか⁈」
「どうしようも出来ない。2月22日には現実に戻るんだ」
「何とかなりませんか?」
「…だから、本気になっちゃダメだって言っただろ」
「ごめんなさい…お婆さん、本当にごめんなさい」
マリは泣き出してしまった。
「マリさん…泣かないでおくれ…」
「30日間を90日間にして頂いたのに、欲が出てしまいました。すみません…」
「90日間は長過ぎた…マリさんをこんな気持ちにさせてしまったのは、私の責任だよ。もっと短い期間だったらお互い本気にまでならなかっただろうに…」
「そんな…テグと過ごさせてくれて、お婆さんには感謝しています」
「マリさん、あなたは本当に心から優しいし思いやりのある子だよ。だから何かしてあげたかった」
「そんな事ないです…」
「賭けてみるかい?」
「え?」
「テグに本当の事を言ってみなさい」
「でも…言ったらテグに災難が…」
「2月3日に話すなら大丈夫だから」
「2月3日?そしたら災難は起きないんですか?」
「起きない。ただし本当の事を言うんだよ」
「本当の事…」
「マリさんがテグのファンで、彼女になりたいという願い事をした事さ」
「…え」
「それでもテグが受け入れたら期間は関係なくずっとテグと居られる。ただ、マリさんがファンだったって聞いたら受け入れない可能性が大きい。騙されたのと同じだからね。それで2月22日までテグと離れた状態で過ごすか、本当の事を言わずに2月22日まで一緒に過ごすか…マリさん、あなたが決めなさい」
「もし…信じてもらえなかったら?」
「2月22日で終わる。もちろんテグさんの記憶からマリさんは消える」
「…わかりました」
「2月3日まで後9日あるからよく考えてどうするか決めなさい」
「はい」
一泊するつもりだったが、夕方の便でソウルに戻った。
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