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第1章 ママの秘密
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「ユウ…悪いけど、洗濯物を中に入れてもらって、いいかしら?」
テレビを見ながら、オヤツを食べていると、雷が鳴る音が聞こえてきた。
「はぁ~い」
すっかり機嫌が直った柚は、素直に返事をすると、ベランダへと向かう。
普段はママと一緒に、洗濯物を取り込むお手伝いをしているので、
頼まれることは、珍しくはない。
それに、急に空が真っ黒になってきたので、よいしょ、よいしょとバスタオルや
下着のついたハンガーなどを、部屋の中にどうにか放り込む。
ピカッ!
空に稲妻が走る。
「マズイ!早く入れなくちゃ!」
慌てる柚に、
「ユウ~大丈夫?」
トントンと、階段を上る音がする。
「あと、もう少し!」
ピカッ
さらに、空が白く光る。
ひゃあ~と叫びながら、最後のハンガーを取り込んだ。
ドンガラガッシャーン!
凄まじい雷鳴が響く。
ママの「キャー!」と叫ぶ声が聞こえる。
柚のママは、雷が苦手なのだ。
何でも…近くに落ちて、怖い思いをしたことがある、と聞いたことがある。
「ママぁ、だいじょぶぅ?」
あわてて部屋を飛び出すと、階段に向かって、声を張り上げる。
ピシャーン!
キャー!
ママが階段の途中の段で、しゃがみ込んで、耳をふさいでいるのが見えた。
(ママって、ホント、コワガリヤサンなんだからぁ)
トコトコと近づくと、
「ママ、お部屋に戻っても、大丈夫だよ」
お姉さん気取りで、母親に声をかけた。
テレビを見ながら、オヤツを食べていると、雷が鳴る音が聞こえてきた。
「はぁ~い」
すっかり機嫌が直った柚は、素直に返事をすると、ベランダへと向かう。
普段はママと一緒に、洗濯物を取り込むお手伝いをしているので、
頼まれることは、珍しくはない。
それに、急に空が真っ黒になってきたので、よいしょ、よいしょとバスタオルや
下着のついたハンガーなどを、部屋の中にどうにか放り込む。
ピカッ!
空に稲妻が走る。
「マズイ!早く入れなくちゃ!」
慌てる柚に、
「ユウ~大丈夫?」
トントンと、階段を上る音がする。
「あと、もう少し!」
ピカッ
さらに、空が白く光る。
ひゃあ~と叫びながら、最後のハンガーを取り込んだ。
ドンガラガッシャーン!
凄まじい雷鳴が響く。
ママの「キャー!」と叫ぶ声が聞こえる。
柚のママは、雷が苦手なのだ。
何でも…近くに落ちて、怖い思いをしたことがある、と聞いたことがある。
「ママぁ、だいじょぶぅ?」
あわてて部屋を飛び出すと、階段に向かって、声を張り上げる。
ピシャーン!
キャー!
ママが階段の途中の段で、しゃがみ込んで、耳をふさいでいるのが見えた。
(ママって、ホント、コワガリヤサンなんだからぁ)
トコトコと近づくと、
「ママ、お部屋に戻っても、大丈夫だよ」
お姉さん気取りで、母親に声をかけた。
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