シンデレラの娘たち

daisysacky

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第1章 ママの秘密

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 柚のパパもママも、優しいけれど…
ママのママにも、会ってみたい…
みんなに言われると、急に柚も、そんな気持ちになってきた。
「わかった、聞いてみる」
きっぱりとそう言う。
「もしかしたら、ユウちゃんのおばあちゃんって…
 外国に住んでいるのかもしれないねぇ」
いきなりアヤちゃんが、そう言う。
「外国?」
 なんで?
柚はビックリとした顔で、アヤちゃんを見ると
「だって、ママが言うんだもん。
 ユウちゃんのママって…エマって言うんでしょ?
 外国人みたいだって」
そうして柚の顔を、しげしげとのぞき込む。
「えっ?そうかなぁ?」
「そうだよぉ」
アヤちゃんは、クルリと柚の周りを一回りすると、ジロジロと
見ている。
「うん、髪だって茶色いし、目だって黒くないし…
 きっと、ガイジンサンなんだよぉ」
そんなことを言うけれど、彼女には悪気はなさそうだ。
ママに言われて、本当にそう思っているみたいだ。

「え~っ、そうかなぁ?」
 そう口では言うけれど…実はママと買い物をしていると、
柚はよく視線を感じることがある。
『きっと、ユウが可愛いからよ』とママは言うけれど、
きっと違うのだ。
ママがあまりに、きれいだからなんだ!
柚はひそかに、そう思っている。

「ユウちゃんって、いいなぁ~
 きれいなママがいて、優しいパパがいて!」
なおもアヤちゃんが言う。
「そんなこと、ないよぉ。
 アヤちゃんのママだって、とっても優しいじゃないの」
この前アヤちゃんの家に、遊びに行った時、いつもエプロン姿で
ニコニコしていて、本当に羨ましかったのだ。
「でもねぇ、弟ばっかり、可愛がるからぁ」
不満そうに、アヤちゃんが言うけれども。
それでも柚からしたら、それも羨ましいことなのだ。
「なんだかいいな!アヤちゃんは!」
思わず本音をもらすと、アヤちゃんはクスクス笑って、
「ヘンなユウちゃん!」
楽しそうに、そう言った。
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