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Scene12 シンデレラはガラスの靴をはいて
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カスミもメグミさんも、礼美も信子も…みんな、すでに椅子に
座って、エラを待ち構えています。
「エミちゃん、おつかれさま~」
メグミさんが大きな声で言うと、みんなは一様に拍手をしました。
「これからのエミちゃんの新しい旅立ちに、カンパイ!」
続けて、メグミさんがグラスを掲げると、礼美もあわてて
グラスを持ち上げました。
いつの間にか、お別れ会ではなく、打ち上げパーティーに変身です。
大家さんも、カスミもエラと一緒に、グラスを手に取りました。
和気あいあいと、みんなが食事に、おしゃべりにと興じている間、
エラは1人、物思いにふけります。
みんなとの楽しい日々は、本当にもう、終わりなのか…と。
エラにはまだ、実感がわきません。
それでもこうして、みんなと何かを成し遂げた、ということは
真実なのです。
そのことが、エラにとっては、大いなる自信ともなり、プラスに
なった…と信じているのです。
大家さんはパンパンパンと手を打ち鳴らすと、
「さぁさぁ、どんどん召し上がれ!お替りもあるからね!」
まるで食堂のオバチャンのように、にこやかに言います。
するとみんなの箸も進み…一様に、ぱぁっと笑顔になりました。
それからは、礼美が仕切って、テキパキと、料理を取り分けたり、
スープを温めたりして、ワイワイガヤガヤ
食べては笑い、笑っては食べ、を繰り返し…
瞬く間に、空の皿が積み重なります。
最後にケーキを切り分けて、礼美がコーヒーを1人ずつ配ると
みんな満腹で、これまでにないくらい、幸せそうな笑顔に
なりました。
「後片付けは、いいわよぉ」
大家さんが言ったけれども…
さすが、専業主婦の礼美が、ここでも能力を発揮して、
てきぱきと動きみんなに指示をして…
ゴミ1つ残らないくらい、ピカピカに片づけたのも、
まるで魔法にかかったのか、というくらい、あっという間でした。
座って、エラを待ち構えています。
「エミちゃん、おつかれさま~」
メグミさんが大きな声で言うと、みんなは一様に拍手をしました。
「これからのエミちゃんの新しい旅立ちに、カンパイ!」
続けて、メグミさんがグラスを掲げると、礼美もあわてて
グラスを持ち上げました。
いつの間にか、お別れ会ではなく、打ち上げパーティーに変身です。
大家さんも、カスミもエラと一緒に、グラスを手に取りました。
和気あいあいと、みんなが食事に、おしゃべりにと興じている間、
エラは1人、物思いにふけります。
みんなとの楽しい日々は、本当にもう、終わりなのか…と。
エラにはまだ、実感がわきません。
それでもこうして、みんなと何かを成し遂げた、ということは
真実なのです。
そのことが、エラにとっては、大いなる自信ともなり、プラスに
なった…と信じているのです。
大家さんはパンパンパンと手を打ち鳴らすと、
「さぁさぁ、どんどん召し上がれ!お替りもあるからね!」
まるで食堂のオバチャンのように、にこやかに言います。
するとみんなの箸も進み…一様に、ぱぁっと笑顔になりました。
それからは、礼美が仕切って、テキパキと、料理を取り分けたり、
スープを温めたりして、ワイワイガヤガヤ
食べては笑い、笑っては食べ、を繰り返し…
瞬く間に、空の皿が積み重なります。
最後にケーキを切り分けて、礼美がコーヒーを1人ずつ配ると
みんな満腹で、これまでにないくらい、幸せそうな笑顔に
なりました。
「後片付けは、いいわよぉ」
大家さんが言ったけれども…
さすが、専業主婦の礼美が、ここでも能力を発揮して、
てきぱきと動きみんなに指示をして…
ゴミ1つ残らないくらい、ピカピカに片づけたのも、
まるで魔法にかかったのか、というくらい、あっという間でした。
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