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第 16章 転がる石のように…
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「なぁに、気取ってるのよぉ」
いい気分に酔っぱらっているマイコが、さらに大きな声を張り上げると、
「いいから、いいからぁ」
缶ビールを持ち上げて、なみなみとグラスに注ぐ。
「おっとっとっと」
いい加減に酔っぱらっているのか、ドボドボと畳に垂れ流しになる。
「あ、ちょっとぉ」
思わず待子は、マイコの手から、グラスを奪った。
これは大家さんからの差し入れだ。
どうやら気をきかせて、何種類かのお酒を持たせてくれたのだ。
この桜ハウスの住人は、年中金欠で苦しんでいるのが、
わかっているからだろう…
さすがに大家さんの息子は、ここへは来ないけれど…
(ここは一応、男子禁制だ)
「やった、発泡酒じゃなく、本物のビールだ!」
「大家さん公認で、堂々と飲める!」
ここの人たちは、案外酒豪…という共通点もある。
すっかり機嫌をよくして、本来の目的も忘れ、大いに盛り上がるのだ。
もっとも、正体不明の住人…ほぼ姿を見ることがないという、
黒ずくめの中田さんをのぞいては…
全員が食べ物や飲み物を持ち寄って、酒宴を繰り広げるのだった。
それは本来の目的を大きく外れた、ただの飲み会となっていた。
気づくと、1人つぶれ、2人つぶれして…
「今日はこれで!」
「じゃあ、また!」
「何かあったら、呼んで!」
まずは中田さんが、ものの5分で退散した。
それから案外早い段階で…バイトがあるから、と外国人の2人組も
帰って行った。
酒に強いはずのレイコさんも…
「何だか眠く、なっちゃった」
あくびをすると、壁際に寄り掛かった。
「今日はもう…大丈夫なんじゃない?」
マイコも眠たそうに、ビール瓶を抱きしめて、コテンと
畳の上に、横になった。
(だから、お酒なんて、よせばいいのに…)
ただ1人、未成年ゆえに、ウーロン茶の待子だけが、
素面のままで、取り残されていた。
いい気分に酔っぱらっているマイコが、さらに大きな声を張り上げると、
「いいから、いいからぁ」
缶ビールを持ち上げて、なみなみとグラスに注ぐ。
「おっとっとっと」
いい加減に酔っぱらっているのか、ドボドボと畳に垂れ流しになる。
「あ、ちょっとぉ」
思わず待子は、マイコの手から、グラスを奪った。
これは大家さんからの差し入れだ。
どうやら気をきかせて、何種類かのお酒を持たせてくれたのだ。
この桜ハウスの住人は、年中金欠で苦しんでいるのが、
わかっているからだろう…
さすがに大家さんの息子は、ここへは来ないけれど…
(ここは一応、男子禁制だ)
「やった、発泡酒じゃなく、本物のビールだ!」
「大家さん公認で、堂々と飲める!」
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すっかり機嫌をよくして、本来の目的も忘れ、大いに盛り上がるのだ。
もっとも、正体不明の住人…ほぼ姿を見ることがないという、
黒ずくめの中田さんをのぞいては…
全員が食べ物や飲み物を持ち寄って、酒宴を繰り広げるのだった。
それは本来の目的を大きく外れた、ただの飲み会となっていた。
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「今日はこれで!」
「じゃあ、また!」
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帰って行った。
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「何だか眠く、なっちゃった」
あくびをすると、壁際に寄り掛かった。
「今日はもう…大丈夫なんじゃない?」
マイコも眠たそうに、ビール瓶を抱きしめて、コテンと
畳の上に、横になった。
(だから、お酒なんて、よせばいいのに…)
ただ1人、未成年ゆえに、ウーロン茶の待子だけが、
素面のままで、取り残されていた。
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