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第15章  いのち短し 恋せよ乙女?

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「ところで…ねぇ、彼氏って、どんな人?」
 聞くまいと思ってはいたけれど、やはり気になって、待子は聞いた。
実は、ここ数日、いつ聞こう、いつ聞こう…と、気になって
気になって、仕方がなかったのだ。
今、この瞬間しかない、と腹を決めたのだ。
「えっ、何のこと?」
今さらのように、空っとぼけようとする杏子。
「ちょっとぉ~下手な芝居、やめてよぉ」
その様子に、思わず待子は苦笑する。
 杏子は水を一口飲むと、あらためてチラリと待子を見ると
「やっぱり、聞きたい?」といたずらっぽい顔をする。
「もちろんよ!」

 何をもったいぶっているのだ…と待子はじれったく思う。
それでも杏子は少しためらうように、たこ焼きをつっついていた串を
口にくわえる。
「うーん、大したこと、ないんだけどねぇ」
ヘラッと笑う。
それにはごまかされないぞ…と、
「で、どこの人?」
追及の手はゆるめない。
するとン、ンン…と咳払いを1つして、
ちょっと目をそらすようにして、
「バイト先で、知り合ったの」と、澄ました顔をする。
「バイト先って…コンビニ?」
「そう」
「じゃ、学生さん?」
「あ、彼は社会人!」
「えっ?」
想像と違う…と、待子は杏子を凝視する。
「お昼に弁当を買いに来る…常連さんなんだよね」
「あら!そうだったんだぁ~」
まじまじと杏子を見つめる。
すると少し照れくさそうな顔して、困ったように、鼻をさわる。
「杏子って…かわいいもんなぁ」
半分やっかみのような気持ちで、ため息のように言った。
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