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第13章  桜ハウスを守れ!

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「やはり…姉も年ですからねぇ。
 ぼちぼち 引退させてはどうかと…」
その男性は、言いにくそうに待子に答えた。
そんなことは、寝耳に水だったので、
「ねぇ、どうして?」
口の中でモゴモゴと言うばかりだ。
「今さら?」
いつの間にかサラさんも、父親の前に詰め寄って来る。
「私がいるじゃない。
 オバサンが倒れたら、救急車を呼ぶし…
 お父さんには、全然迷惑をかけたりしないし!」
大きな声で言い放つと、プルプルと手を震わせた。
「そんな、簡単なことじゃない!」
振り払うように、キッパリと男は言う。
「簡単なことよ!
 私…なんだったら…オバサンの後を継いでもいいわ!」
急に思いついたように言うと、それが最適なアイディアだ、とばかりに
サラさんは大きくうなづく。
「バカ言うんじゃない!」
そんな彼女の考えを一蹴するように、父親はピシャリと言い放つと、
まるで抑えきれないように、すさまじい勢いで、
彼女のほほを張った。


「ちょっと!何してるのよ!」
いつの間にか、母屋の裏の勝手口から、大家さんが鋭い声を
浴びせて来た。
「こんなトコで、大きな声で騒がないでよ、みっともない!
 近所に聞こえるでしょ。
 こんな玄関先で、オヤコゲンカをしないでくれる?」
ジロリと焦げ付きそうなくらい、きつい目つきで、自分の弟を
にらみつける。
「勝手に決めつけないでよ!
 私はまだ、元気だし、まだ誰にも迷惑をかけてはいない」
ピシャリと言い切ると、
「誰でも みんな、そんな風に言うもんだ。
 自分では、自覚がないもんな」
まだ言い足りないのか、男はブスッとした表情で、大家さんと
サラさんをにらみつけていた。
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