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第13章 桜ハウスを守れ!
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女たちの叫び声に、おそれをなしたのか…先ほどの不審者は、
ビクンと体をすくめると、電信柱の陰に逃げ込む。
そうして鈴なりに、窓から顔を突き出す住人の顔に気付き、
すっかりと怖じ気づいているように見えた。
「なに?変態でも来たの?」
どこからか声が聞えてきて、1階の廊下を、ドタバタと駆け抜ける
足音が響いてきた。
いきなりすさまじい物音をたてて、我先にと、例の外国人コンビ、
ソンさんとハンさんが、玄関に飛び出て来た。
「あんた、何者?」
「ここには、金目なものはないよ」
「そう、みんなビンボー人ばかりだからね!」
陰に向かって、威嚇の声を発して、手に手に防具を握り締める。
(防具とはいっても…ハンさんはホウキ、ソンさんは布団たたきだ)
まるで竹刀のように、振りかぶると、すさまじい剣幕で、
奇声を上げていた。
それを見ると…男は、電信柱にしがみつくようにして、
「私は…怪しい者じゃないんだ…」
ややへっぴり腰で、情けない声を出す。
「怪しい者じゃないって、信じるわけ、ないでしょ」
「下着泥棒か?」
「どう見ても…十分怪しい!」
2階の窓からも、待子は佐伯さんと、顔を見合わせていた。
すると…さらに、厄介なことに!
「なに?なにごと?」
下宿人の声を聞きつけて、母屋からも人が飛び出してきた。
「警察…呼びましょうか?」
飛び出してきたのは、先ほどまで話していたサラさんだ。
さすがに、外国人コンビとは違うだろう、と思いきや、
こちらも傘を握り締めて、飛び出している。
男は殺気立った女たちに驚いて、すさまじい面相に、
思わずあとずさりをするも…
「だから、怪しい者じゃないんだってば!」
ひたすらに、情けない声で、サラさんの方を見た。
ビクンと体をすくめると、電信柱の陰に逃げ込む。
そうして鈴なりに、窓から顔を突き出す住人の顔に気付き、
すっかりと怖じ気づいているように見えた。
「なに?変態でも来たの?」
どこからか声が聞えてきて、1階の廊下を、ドタバタと駆け抜ける
足音が響いてきた。
いきなりすさまじい物音をたてて、我先にと、例の外国人コンビ、
ソンさんとハンさんが、玄関に飛び出て来た。
「あんた、何者?」
「ここには、金目なものはないよ」
「そう、みんなビンボー人ばかりだからね!」
陰に向かって、威嚇の声を発して、手に手に防具を握り締める。
(防具とはいっても…ハンさんはホウキ、ソンさんは布団たたきだ)
まるで竹刀のように、振りかぶると、すさまじい剣幕で、
奇声を上げていた。
それを見ると…男は、電信柱にしがみつくようにして、
「私は…怪しい者じゃないんだ…」
ややへっぴり腰で、情けない声を出す。
「怪しい者じゃないって、信じるわけ、ないでしょ」
「下着泥棒か?」
「どう見ても…十分怪しい!」
2階の窓からも、待子は佐伯さんと、顔を見合わせていた。
すると…さらに、厄介なことに!
「なに?なにごと?」
下宿人の声を聞きつけて、母屋からも人が飛び出してきた。
「警察…呼びましょうか?」
飛び出してきたのは、先ほどまで話していたサラさんだ。
さすがに、外国人コンビとは違うだろう、と思いきや、
こちらも傘を握り締めて、飛び出している。
男は殺気立った女たちに驚いて、すさまじい面相に、
思わずあとずさりをするも…
「だから、怪しい者じゃないんだってば!」
ひたすらに、情けない声で、サラさんの方を見た。
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