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第13章  桜ハウスを守れ!

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「それよりも!」
 佐伯さんが、語気を強める。
彼女はサラさんのことを、知らないのだ。
だからあわてて待子は、サラさんの前に立ち、
「この人がね、サラさん。
 大家さんの姪後さん」
佐伯さんに説明すると、
「どうもはじめましてぇ~」
のん気な顔で、ヒョコッと、サラさんは頭を下げた。
「私もね、この家のこと…つい最近まで、何にも知らなかったのよ。
 家に帰ってきたら、こんな話になってて…
 あわててこっちに来たのよ」
困ったような顔をして、やたらとペコペコと頭を下げている。
どうやらこの話は、嘘ではないようだ。
なぜなら、サラさんが嘘をつくような人には、どうしても見えなかったからだ。

「父がね、あおいさんのこと、とても心配してて…
 そろそろここを引き上げて欲しいみたいなの…
 それならそうと、私に言えばいいのに…
 あのバカおやじ、私もここにいるから、信用してくれよ、と思うけど…
 その必要性はない、というんだよね。
 どうしても、こっちの話には、耳を傾けてくれないのよね」
不満そうに、何やらブツブツ口の中で言うと…
待子を見て、にぃっと笑う。
「私もねぇ~まだまだ元気だし、仕事をこれからも続けていたいんだけどねぇ、
 サトシはちっとも信用してくれないんだよねぇ。
 どうやら暮れに、倒れたことが、原因らしいんだけどね、
 ここにはたくさん、若い人がいるから、心配いらない、と
 言うんだけどね、
 ちっともわかってくれないんだよね」
大家さんは、ひどく申し訳なさそうな顔をする。
「どこか、悪いんですか?」
大家さんが倒れたことを、待子は知らなかったので、
思わず大家さんの顔を覗き込む。
すると、黒々とした瞳の奥で、少し迷ったように、揺れていた。
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