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第12章  桜ハウスへようこそ

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「でも…何を占ってもらおうとしたの?」
 先ほどの様子を思い出し、思わず佐伯さんに聞く。
「特に…これといってないけど…」
何となく歯切れの悪い口調で、佐伯さんは返すけれども…
その表情は、何となく微妙な色を浮かべていた。


「何をしているんですか?」
 2人が玄関に入って、靴を脱いでいると、いきなり声をかけられる。
驚いて振り向くと…例の1階に住んでいる外国人の2人組だった。
「別に…」と言いながらも、その目敏さに驚いてしまう。
ケンカしているように見えて…案外仲良しなんだなぁと感心する。
もしかしたら普段でも、割と行動を共にしているのかもしれない。
もっとも待子たちも含め、同じアジア人同士、何かと気が合うのかも
しれない。
パッと見も、日本人と大差はないけれど、どうしても言葉のなまり
があるせいか…
佐伯さんも、日本人ではないと気付いたようで、急に笑いを引っ込めて、
さり気なく待子の背後に避難する。
あらっ、と待子は思うけれども…
「大丈夫よ!この人たち…結構日本語がしゃべれるから」と言うと、
それでも警戒しているのか、黙ってそうじゃない、と頭を振る。
「ごめんなさいね、これからお出かけ?」
さすがにもう何度か、すれ違ったことがあるので、待子は少し
佐伯さんよりは慣れている。
「歓迎会…6時からでしたっけ?」
外国人の片方の方が(ハンさんか、ソンさん)大した用事はないけれど、
確かめるようにして、待子に聞いた。
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