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第12章 桜ハウスへようこそ
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目の前の建物は、桜ハウスというシャレタ名前ではあるものの‥
外観は、かなり古色蒼然とした、古ぼけたただの大きな家だ。
大抵の人は、その姿を見ると…思わずたじろいで
「えっ、これって…まだ人が住んでいるの?」と聞き返し、
2度見、3度見するのだ。
歴史のある家…といえば聞こえがいいものの、だけどもそんな
シャレタものではなく…
ただの古ぼけた、今ではあまり見ることもない、昔ながらの下宿屋だ。
もちろん大きな民家に、見えないこともない。
待子は恐る恐る佐伯さんの顔をのぞき込むと、
彼女はさほど驚いた様子もなく
「なんだ!どんなお化け屋敷かと思ったら…普通の家なのね」
ちょっとピントのずれたことを言う…
(この人って、もしかして…変わった人なの?)
反応の薄さに、思わず驚いてしまう…
ましてや杏子でさえ、足を踏み入れるのをためらった家である。
「ねぇ~ホントに壊れたりしてない?」
ビビった…というのに、佐伯さんはニッコリとして、
「最近はねぇ~どこのアパートも、みんな似たような感じのものバッカリよ」
と待子はこぼす。
「どこへ行っても、区別がつかないし、隣の人がどんな人?というのも、
全然わかんない…て言うじゃない。
ここだったら、そんなことはないでしょ?」
なぜだか佐伯さんがうらやましそうな顔をする…
「えっ…」
もしかして佐伯さん、羨ましがっているの?と、またも待子は驚く。
案外こんな人の方が…こういう家に住むのも、向いているかもしれないなぁと、
変なところで感心するのだった。
外観は、かなり古色蒼然とした、古ぼけたただの大きな家だ。
大抵の人は、その姿を見ると…思わずたじろいで
「えっ、これって…まだ人が住んでいるの?」と聞き返し、
2度見、3度見するのだ。
歴史のある家…といえば聞こえがいいものの、だけどもそんな
シャレタものではなく…
ただの古ぼけた、今ではあまり見ることもない、昔ながらの下宿屋だ。
もちろん大きな民家に、見えないこともない。
待子は恐る恐る佐伯さんの顔をのぞき込むと、
彼女はさほど驚いた様子もなく
「なんだ!どんなお化け屋敷かと思ったら…普通の家なのね」
ちょっとピントのずれたことを言う…
(この人って、もしかして…変わった人なの?)
反応の薄さに、思わず驚いてしまう…
ましてや杏子でさえ、足を踏み入れるのをためらった家である。
「ねぇ~ホントに壊れたりしてない?」
ビビった…というのに、佐伯さんはニッコリとして、
「最近はねぇ~どこのアパートも、みんな似たような感じのものバッカリよ」
と待子はこぼす。
「どこへ行っても、区別がつかないし、隣の人がどんな人?というのも、
全然わかんない…て言うじゃない。
ここだったら、そんなことはないでしょ?」
なぜだか佐伯さんがうらやましそうな顔をする…
「えっ…」
もしかして佐伯さん、羨ましがっているの?と、またも待子は驚く。
案外こんな人の方が…こういう家に住むのも、向いているかもしれないなぁと、
変なところで感心するのだった。
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