桜ハウスへいらっしゃい！

第１１章 新しい仲間たち

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　　一応大家さんに、電話で確認したけれど、まったくかまわないようだった。
大家さんがそんなに評判とは知らなかったので、逆にすごいなぁと、
憧れるけれども…
佐伯さんが、万が一騒いではいけない…と、抑え気味の表情を浮かべる…

「魔女の館とは言ってもねぇ～みんなせいぜい、トランプかタロット占いしか
　しないわよ」
実際は、見てもらったことがないのにも関わらず、待子はあえて軽い調子で話しかける。
すると佐伯さんは
「トランプじゃあなくて、タロットでしょ？
　いいの、それでも…
　噂の占い師に会えれば」
佐伯さんはなんだかとても…ウキウキとした空気を感じる。
　まぁいいかぁ～
　桜ハウスを見たら、きっと気が変わるだろう…
そう思い、自転車を押しながら歩いて行くと…
「もうすぐ　着くわよ」
坂を上がり切ったところで、声をかける。
佐伯さんも、少しも引き返す様子もなく、何だかとても嬉しそうにすると、
「楽しみだわ！」とにこやかに言う。

　こんな人…初めて見たわぁ～とニコニコとした。
そういえば…杏子も同じ反応だったか、と意外な想いだ…
ならば自分が、あの家を見て…ガッカリしたのは、そもそも
間違いだったのか…
そう思ったけれども、
いやいや、本物を見たら…もっとビックリして、きっと考え方も
変わるだろう・・・そう考え、
「着いたわ」とだけ、声をかけた。