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第10章 思いがけない味方登場
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話の感じで、放っておけない、と思ったのであろう…
いきなり引き戸から顔をのぞかせると、
(この人…まさか、ストーカーとかじゃないよね?)
一瞬疑う待子だ。
その人は、まるで世捨て人のように…人目を避けて、一切かかわりを
断っていたのが、嘘のように…
待子をジロリと見ると、早口でボソボソと話始めた。
タガが外れたかのように…
「あんたねぇ、ボサッとしているから、こういう人に、カモにされて、
取り入られてしまうのよ!
自分で意識して、気を付けなくちゃ!
ここの連中はね、甘い顔をすると、どこまでも甘えてくるんだから!」
そう言うと、「以上!」と叫んで、部屋を出て行こうとする。
(言いたいだけ言って、帰るの?
なんなの、この人!)
そう思うと、待子はあわてて呼び止めた。
「あっ、ちょっと待って!」
その背中めがけて、声をかける。
黒い服の謎の女性は、すでにもう…待子には興味を失った…
というような冷めた瞳を向けて、
「なに?」とめんどくさそうに、ひどくぶっきらぼうに聞いた。
「えっ」
その変わり身の早さに、待子はたじろいでしまい、思わず後ずさりをした。
「あなた…何号室の人?」
仕方なく…どうでもいい間の抜けた質問をすると、
「あぁ~」
その人は少し、小ばかにして、口元をゆがめると、
「あなたにそれ…関係ある?」と言うと、出て行こうとする。
引き止めなくっちゃ、と思い、
「あの…」
それでもまだ、言われっぱなしは悔しい…と、何か言わなくては、と思う。
いきなり引き戸から顔をのぞかせると、
(この人…まさか、ストーカーとかじゃないよね?)
一瞬疑う待子だ。
その人は、まるで世捨て人のように…人目を避けて、一切かかわりを
断っていたのが、嘘のように…
待子をジロリと見ると、早口でボソボソと話始めた。
タガが外れたかのように…
「あんたねぇ、ボサッとしているから、こういう人に、カモにされて、
取り入られてしまうのよ!
自分で意識して、気を付けなくちゃ!
ここの連中はね、甘い顔をすると、どこまでも甘えてくるんだから!」
そう言うと、「以上!」と叫んで、部屋を出て行こうとする。
(言いたいだけ言って、帰るの?
なんなの、この人!)
そう思うと、待子はあわてて呼び止めた。
「あっ、ちょっと待って!」
その背中めがけて、声をかける。
黒い服の謎の女性は、すでにもう…待子には興味を失った…
というような冷めた瞳を向けて、
「なに?」とめんどくさそうに、ひどくぶっきらぼうに聞いた。
「えっ」
その変わり身の早さに、待子はたじろいでしまい、思わず後ずさりをした。
「あなた…何号室の人?」
仕方なく…どうでもいい間の抜けた質問をすると、
「あぁ~」
その人は少し、小ばかにして、口元をゆがめると、
「あなたにそれ…関係ある?」と言うと、出て行こうとする。
引き止めなくっちゃ、と思い、
「あの…」
それでもまだ、言われっぱなしは悔しい…と、何か言わなくては、と思う。
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