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第10章   思いがけない味方登場

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  待子のかたくなな様子を見ても、マイコはガンとして、動く
素振りもしない。
まるで待子の言うことなど聞こえない…といった体で、楽しそうに
待子の部屋の中を眺めて歩き、
「前にここにいた…あの人…オソノさんは、私のことを置いてくれたのよ」
まるで待子の今の態度が、間違っている…と言わんばかりに、
胸をピン…と伸ばして、強気で言い切る。
「あの人は、あの人!
 それに今…ここは私の部屋だから」と待子が言うと、
「そんな冷たいこと言わないでよぉ」
今度はすがりつくような表情で、待子を見る。

「いい加減にしなさいよ!」
突然、ガラリと引き戸を強く、開いた音がする。
(ここ…私の部屋なのにぃ)
まるで人の部屋でもおかまいなしに、ここの人は自由に
入って来るものらしい。
(やっぱり早くお金をためて、ここを出て行こう」
待子は心の中で、強く願っていると…
「あんたもさぁ~人に迷惑ばっかかけてないで、自分でもどうにか
してみないと!」と、キッパリとした声が響いたかと思うと、
引き戸の向こうに、黒い服の女性が・・
大真面目な声で顔をのぞかせていた。

(あ…この人…何者?」
前にもチラリと見かけたけれど、ここ数日、いつもなにかしら、
トイレとか、洗濯機の所で、一瞬見かけるけれど、
すぐに姿を消す人…
まるで人目を避けて、暮らしているようで…
何者か、見た感じはまさしく不明なのだ…
その人が、なんでここに?と思うけれども、
ここの家の壁が薄いので、おそらく2人の会話は筒抜け
だったのだろう…
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