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第10章   思いがけない味方登場

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  ひよりちゃんの家に、様子を見に行った日…
ついでに買ってきた食材で、何か夕食でも作ろうか…と、
ようやくそろえたフライパンや鍋を取り出し、イソイソとしていた。
 するといきなり、ガタガタと引き戸をゆする音がする。
「なになに?なんなの?
 ひよりちゃんは、いないはずよ」
イヤな予感に襲われる。
(こんなことをするのは、ひよりちゃんか、レイコさんに決まってる)
のんきにかまえていると、さらに激しくガタガタとゆすっている。
「だれよ、しつこいなぁ」
なおも執拗にゆすった後、今度はバンバンバンと力まかせに
ガラス戸を激しくたたく音がする。
(やめて!こわれる!)
「はいはいはいはい、ちょっと待ってて!」
あわてて火を止めると、おもちゃのような鍵をはずし、開けようとする前に、
ガタン!と勢いよく引き戸が開かれ、それと同時に
女の人が転がり込んできた。

「えっ?」
 あまりにいきなり、黒い球がころがり込んだので…
待子はあわてて後ろに飛びのいた。
すると金髪の固まりが、
「悪いけど…この部屋に置いて!」と、必死の形相で、待子に詰め寄った。
「えっ?えぇっ?」
今回は、窓から入るのをやめたか、と思っていたら、
今度はこれ?
なんで自分の部屋に、戻らないの?
わけがわからず、ひどく混乱する待子に、金髪のマイコが顔を見上げると、
「えっ、ダメなの?」
逆にポカンとした顔をした。
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