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第9章 ネクストミッション!
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「えっ?サラさんも、そう思うの?」
待子は少し呆れる。
「だって…あの人を紹介してくれたの、サラさんなんでしょ?」と言うと、
「あっ、そうだったっけ?」
コツン!
自分の頭を軽くたたくと、クスリと笑う。
それからさらに、真面目な顔になると、
「ひよりちゃんって…色々あるみたいね」
今さらのように、しみじみと待子は言う。
それを横目で見ながら
「そりゃあ、そうでしょうよ!
あの薄汚い部屋にいたなんて…何かあるとしか、思えないもの」
あっさりと言う。
「えっ?私…そこの住人なんですけど」
「えっ、そうだった?」
そう言うと、サラさんは、ケラケラ笑う。
「だってさ、今どき、お風呂もトイレも洗濯機を共同なんて、
珍しいとしかいいようがないもの!」
キッパリとサラさんが言うと、チラリと待子を見る。
言い返されて、逆に興味を感じたのか、
「あなた…なんであの家に?」と聞き返す。
「だって、うちは…母さんがかなり厳しいもの」
急に思い出すと、うつむく…
ひよりちゃんのお母さんは、少なくとも、待子の母、淑子よりは
優しそうだ…
うちの父さんは頼りないけれど、あんな風に、私たちを
苦しめたりはしないもんなぁ~と思う。
すると何だか、複雑な想いがする、待子だ…
「でも…サラさんはなんで、あの家に?」
「私ね、時々オバサンの手伝いをしているの」
「手伝い?」
サラさんに言葉に、待子は戸惑う…
そういえば、大家さんって、どういう人なのか、
今でもまだ、わからないということに…
待子は少し呆れる。
「だって…あの人を紹介してくれたの、サラさんなんでしょ?」と言うと、
「あっ、そうだったっけ?」
コツン!
自分の頭を軽くたたくと、クスリと笑う。
それからさらに、真面目な顔になると、
「ひよりちゃんって…色々あるみたいね」
今さらのように、しみじみと待子は言う。
それを横目で見ながら
「そりゃあ、そうでしょうよ!
あの薄汚い部屋にいたなんて…何かあるとしか、思えないもの」
あっさりと言う。
「えっ?私…そこの住人なんですけど」
「えっ、そうだった?」
そう言うと、サラさんは、ケラケラ笑う。
「だってさ、今どき、お風呂もトイレも洗濯機を共同なんて、
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キッパリとサラさんが言うと、チラリと待子を見る。
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すると何だか、複雑な想いがする、待子だ…
「でも…サラさんはなんで、あの家に?」
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「手伝い?」
サラさんに言葉に、待子は戸惑う…
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今でもまだ、わからないということに…
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