桜ハウスへいらっしゃい!

daisysacky

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第9章   ネクストミッション!

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  あわてて下宿屋を飛び出してきて、ほぼ1時間…
クマガイさんの部屋に、2人きりになり、少し普段とは違う
緊張感が漂っていた。
いつもは人懐っこいこの女の子も…さすがに表情が硬い。
この子は今まで、どんな生活をしてきたのだろう…と思うと、
待子の胸がチクリと痛んだ。

 それでも持ってきた荷物を片づけて、適当に棚や、机の上に並べる。
「母さんの物…わからなかったから、あんまり持ってこれなかった」
残念そうに言うひよりちゃん。
「大丈夫よ!言ってくれたら、私が取りに行くから」
慰めるように待子は言う。
「とにかく何があるかわからないから…
 ほとぼり冷めるまで、あの家に近付いたらダメよ」
じっとこちらを見上げるひよりちゃんを見る。
本当にそこまでする必要が、あるのだろうか…
ふと疑問が頭をもたげて来る。
そうしている間にも、外で車の止まる音がした。


「大丈夫?」
そう言いつつ、1人の女性が慌てた表情で、駆け込んできた。
まだゆっくりと話したことがないので…
ひよりちゃんのお母さんって、どういう人なのだろう…と、
丁度考えていたので、まさに絶妙なタイミングだった。
玄関から、顔をのぞかせた女性を見て、
この人だったのか‥と、意外な気持ちで見つめる。
おそらくは下宿屋でも見かけたのだろうが…
なにしろまだ越してきて3日目くらいだし、
まだ住人の顔も、すべて把握しているのか、といえばそうではないので…
やっと会った、という感覚だった。
どんな人なのか、と思ったが、少し小柄のおとなしそうな女性だ。
特に印象はないけれど、ひどく疲れた顔付をしていたのが、
待子は気になった。
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