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第9章 ネクストミッション!
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「副業?」
てっきり売れないアーティストかと思っていた待子は、あてが外れた
気がして、意外に思う。
そういえば…最初の辺で、学校の先生をしてる…って言ってたっけ?
そう思うけれど、アトリエということは、絵とか彫刻とか、そっち系なのか?
と思いつく。
本人の姿を見ても、しっくりとあてはまるようには見えないけれど…
それを聞くと、ひよりちゃんはチラリとクマガイさんを見上げると
「ふぅん、クマオトコは画家さんなのかぁ」とつぶやいた。
それを聞いても、当人は怒る様子もない。
むしろ楽しそうに、ヘラヘラとした顔をするだけだ。
「じゃあ…私達がいたら、邪魔にはなりませんか?」
思わず聞くと、
「気にしなくていいよ」
クマガイさんはおもむろに、ドアに手をかける。
ギギギギギ…
きしむ音をたてて、ドアはゆっくりと開いた。
「建付けが悪くなったなぁ」
クマガイさんは、ボソリと言った。
特に入り口には、看板が取り付けてあるわけでも、大きな表札がある
わけでもない。
ただドアのど真ん中に、下向きの矢印が貼り付けてあるだけだ。
これでわかるのかなぁと思うけれど、
「ある意味、シュールよねぇ。
なんだか怪しい場所みたいね!」
楽しそうにサラさんが言う。
「サラさんまで~」
困ったように、このクマオトコが頭をかく。
それを見ていると、ふと待子はあることに気付く。
(もしかして…クマガイさんって、サラさんに気があるのかも?)
チラリとクマガイさんを見ると、待子は納得して、1人でほくそ笑んでいた。
てっきり売れないアーティストかと思っていた待子は、あてが外れた
気がして、意外に思う。
そういえば…最初の辺で、学校の先生をしてる…って言ってたっけ?
そう思うけれど、アトリエということは、絵とか彫刻とか、そっち系なのか?
と思いつく。
本人の姿を見ても、しっくりとあてはまるようには見えないけれど…
それを聞くと、ひよりちゃんはチラリとクマガイさんを見上げると
「ふぅん、クマオトコは画家さんなのかぁ」とつぶやいた。
それを聞いても、当人は怒る様子もない。
むしろ楽しそうに、ヘラヘラとした顔をするだけだ。
「じゃあ…私達がいたら、邪魔にはなりませんか?」
思わず聞くと、
「気にしなくていいよ」
クマガイさんはおもむろに、ドアに手をかける。
ギギギギギ…
きしむ音をたてて、ドアはゆっくりと開いた。
「建付けが悪くなったなぁ」
クマガイさんは、ボソリと言った。
特に入り口には、看板が取り付けてあるわけでも、大きな表札がある
わけでもない。
ただドアのど真ん中に、下向きの矢印が貼り付けてあるだけだ。
これでわかるのかなぁと思うけれど、
「ある意味、シュールよねぇ。
なんだか怪しい場所みたいね!」
楽しそうにサラさんが言う。
「サラさんまで~」
困ったように、このクマオトコが頭をかく。
それを見ていると、ふと待子はあることに気付く。
(もしかして…クマガイさんって、サラさんに気があるのかも?)
チラリとクマガイさんを見ると、待子は納得して、1人でほくそ笑んでいた。
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