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第9章 ネクストミッション!
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ひよりちゃんは、あくまでもこそっと言ったつもりだったのに、
どうやら聞こえていたようだ。
「面白いこと言うね、キミは…」
クマガイさんは、大きな口をニパッと開けて笑う。
「なんだかボクたち…気が合いそうだ!
きっと、楽しく過ごせるよ。
遠慮せずに、困ったことがあったら、言ってくれよ」
顔をクシャクシャにして、ニコニコしているクマガイさんを見ていると…
やっぱり、クマオトコだし、この人は…見かけによらず、
案外優しくて、いい人なんだろうなぁと、待子はそう思う。
「さぁ、ここだよ」
一旦持っていた荷物を、下に下ろすと、クマガイさんはポケットを
探る。
キョロキョロしながらも、その後に続いて歩くと、
シンと静まり返った廊下のどんづまりに、赤い矢印が
一層際立って、浮かび上がっていた。
「何か…お店でもしてるんですか?」
鍵を差し込むクマガイさんに、待子は思わず声をかける。
だけど彼は、「なんで?」とキョトンとすると、
「いや、別に…迷ったらいけないだろ?」
なんで当たり前のことを、聞くんだ…という顔をする。
確かにネームプレートは、すすけて見えづらいし、
部屋番号も、よく見えない。
だけど…人の気配もまた、感じられない。
(こんなトコ…ホントに人が、来るんだろうか?)
失礼は承知で、待子は不思議に思う。
するとサラさんが
「ちゃんと教えてあげないと!」と笑うと、
「クマガイさんはねぇ、ここをアトリエにしていて、
仕事のほかに、副業として、ここで教えたり、
打ち合わせに使ったりしているのよ」と言った。
どうやら聞こえていたようだ。
「面白いこと言うね、キミは…」
クマガイさんは、大きな口をニパッと開けて笑う。
「なんだかボクたち…気が合いそうだ!
きっと、楽しく過ごせるよ。
遠慮せずに、困ったことがあったら、言ってくれよ」
顔をクシャクシャにして、ニコニコしているクマガイさんを見ていると…
やっぱり、クマオトコだし、この人は…見かけによらず、
案外優しくて、いい人なんだろうなぁと、待子はそう思う。
「さぁ、ここだよ」
一旦持っていた荷物を、下に下ろすと、クマガイさんはポケットを
探る。
キョロキョロしながらも、その後に続いて歩くと、
シンと静まり返った廊下のどんづまりに、赤い矢印が
一層際立って、浮かび上がっていた。
「何か…お店でもしてるんですか?」
鍵を差し込むクマガイさんに、待子は思わず声をかける。
だけど彼は、「なんで?」とキョトンとすると、
「いや、別に…迷ったらいけないだろ?」
なんで当たり前のことを、聞くんだ…という顔をする。
確かにネームプレートは、すすけて見えづらいし、
部屋番号も、よく見えない。
だけど…人の気配もまた、感じられない。
(こんなトコ…ホントに人が、来るんだろうか?)
失礼は承知で、待子は不思議に思う。
するとサラさんが
「ちゃんと教えてあげないと!」と笑うと、
「クマガイさんはねぇ、ここをアトリエにしていて、
仕事のほかに、副業として、ここで教えたり、
打ち合わせに使ったりしているのよ」と言った。
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