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第9章 ネクストミッション!
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それから待子に気が付くと、
「君って、高校生?」
思い出したように聞くので、
「この春から、大学生になります」
背筋をピンと伸ばして、鼻をツンと上向きにして、待子は答えた。
少しでも、大人に見られたい…と思ったからだ。
同い年のキラキラ女子のように、ファッションとか、メイクとかに
敏感な方ではない…
せいぜい、眉毛を整えたり、枝毛が出来ないよう、気を付けること…
これくらいが、待子の精一杯の身だしなみだから…
高校生に見えたって、しかたない…
いやむしろ、高校生の方が、オシャレだったりするかもしれない。
下手すると…オシャレな中学生にも、女子力で劣っているかも?と
密かに気にしているのだ。
「クマガイさん…それを言ったら、ダメでしょ」
ちょっぴり凹んで、下を向く待子に、サラさんはいち早く気が付くと、
軽くクマガイさんをにらんだ。
「大丈夫よ~あなたもお化粧したら、きっと年相応に見えるから」
慰められているのかどうか…
サラさんは微妙な言い方をしている。
「年相応って、何歳ですか?」
凹んだまま、待子は聞くと、
「そんなトコで、いじけないで」
慰めるように、ひよりちゃんが、待子の袖を引っ張った。
一体どこへ連れて行くの?
そう思って気が付くと、階段の踊り場のところで、話し込んでいる。
「こんなトコで話してたら、人の邪魔になるわよ」
ひどく冷静な言い方をした。
「君って、高校生?」
思い出したように聞くので、
「この春から、大学生になります」
背筋をピンと伸ばして、鼻をツンと上向きにして、待子は答えた。
少しでも、大人に見られたい…と思ったからだ。
同い年のキラキラ女子のように、ファッションとか、メイクとかに
敏感な方ではない…
せいぜい、眉毛を整えたり、枝毛が出来ないよう、気を付けること…
これくらいが、待子の精一杯の身だしなみだから…
高校生に見えたって、しかたない…
いやむしろ、高校生の方が、オシャレだったりするかもしれない。
下手すると…オシャレな中学生にも、女子力で劣っているかも?と
密かに気にしているのだ。
「クマガイさん…それを言ったら、ダメでしょ」
ちょっぴり凹んで、下を向く待子に、サラさんはいち早く気が付くと、
軽くクマガイさんをにらんだ。
「大丈夫よ~あなたもお化粧したら、きっと年相応に見えるから」
慰められているのかどうか…
サラさんは微妙な言い方をしている。
「年相応って、何歳ですか?」
凹んだまま、待子は聞くと、
「そんなトコで、いじけないで」
慰めるように、ひよりちゃんが、待子の袖を引っ張った。
一体どこへ連れて行くの?
そう思って気が付くと、階段の踊り場のところで、話し込んでいる。
「こんなトコで話してたら、人の邪魔になるわよ」
ひどく冷静な言い方をした。
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