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第8章 援軍来たる…
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「なんだか 大人になったみたい~」
待子は思わず、はしゃいだように言うと、
「なんか、いいよねぇ。純喫茶、っていう感じ」
杏子もまた、店内に流れる、ピアノの調べに耳をすませて、
思わずうっとりするように言った。
「オバサン…今日は帰るの?」
ようやく注文を終えると、お冷を飲みながら、まずはゆっくりと
ひと息を着く待子。
まだまだこれから、片づけることも残されているけれど…
ここはひとまず、小休止だ。
「ううん…明日、一緒に買い出しに行くの」
ニッコリと余裕の笑顔を見せる杏子に、
「いいなぁ~」と、とても羨ましそうだ。
「うちはさっさと、帰ったから…
今日はとっても、てんやわんやだったわよ」
思い出し笑いを、うっすらと浮かべて、しばらく杏子の
様子を見守る。
だけど1人っきりじゃなかったなぁ~
たのもしい助っ人が、いたもんなぁ~とひよりちゃんのことを
思い浮かべていた。
「コンセントがね、1つしかなくて、結構不便なの」
杏子は、新しい部屋のことを、こぼすように言う。
「延長コード、買わなくちゃ!
だって、テレビや、扇風機や、掃除機使う時、
コードが足りなくて、困るもんね」と言うので
「あんまりしたら、タコ足配線にならないかなぁ」
と、気になる様子。
「あ、私まだ、それ、チェックしてない~」
待子は思い出すように言うと、さすがは杏子、
やっぱり頭がいいなぁ~と、感心する待子だ。
さらに、ちょっぴり羨ましくなってしまう…
「だってうちの母さん、いるものはここで揃えなさい、って、
ろくに何も、準備しなかったもの!
しかも買い出しにも、付き合ってくれないから、
何がいって、どんなのがいいのか、よくわからないんだもん!
それにあわてて帰っちゃうしぃ~
ホントに、荷物を運びに来た、というだけなんだもの…」
ようやくわかってくれる人の登場で、これ幸いと、思いのたけを
ぶちまけるのだ。
そんな待子のことを、杏子は「うんうん」といちいち
うなづいて聞いてくれたのだ。
待子は思わず、はしゃいだように言うと、
「なんか、いいよねぇ。純喫茶、っていう感じ」
杏子もまた、店内に流れる、ピアノの調べに耳をすませて、
思わずうっとりするように言った。
「オバサン…今日は帰るの?」
ようやく注文を終えると、お冷を飲みながら、まずはゆっくりと
ひと息を着く待子。
まだまだこれから、片づけることも残されているけれど…
ここはひとまず、小休止だ。
「ううん…明日、一緒に買い出しに行くの」
ニッコリと余裕の笑顔を見せる杏子に、
「いいなぁ~」と、とても羨ましそうだ。
「うちはさっさと、帰ったから…
今日はとっても、てんやわんやだったわよ」
思い出し笑いを、うっすらと浮かべて、しばらく杏子の
様子を見守る。
だけど1人っきりじゃなかったなぁ~
たのもしい助っ人が、いたもんなぁ~とひよりちゃんのことを
思い浮かべていた。
「コンセントがね、1つしかなくて、結構不便なの」
杏子は、新しい部屋のことを、こぼすように言う。
「延長コード、買わなくちゃ!
だって、テレビや、扇風機や、掃除機使う時、
コードが足りなくて、困るもんね」と言うので
「あんまりしたら、タコ足配線にならないかなぁ」
と、気になる様子。
「あ、私まだ、それ、チェックしてない~」
待子は思い出すように言うと、さすがは杏子、
やっぱり頭がいいなぁ~と、感心する待子だ。
さらに、ちょっぴり羨ましくなってしまう…
「だってうちの母さん、いるものはここで揃えなさい、って、
ろくに何も、準備しなかったもの!
しかも買い出しにも、付き合ってくれないから、
何がいって、どんなのがいいのか、よくわからないんだもん!
それにあわてて帰っちゃうしぃ~
ホントに、荷物を運びに来た、というだけなんだもの…」
ようやくわかってくれる人の登場で、これ幸いと、思いのたけを
ぶちまけるのだ。
そんな待子のことを、杏子は「うんうん」といちいち
うなづいて聞いてくれたのだ。
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