上 下
138 / 428
第6章  魔女の館へようこそ!

   49

しおりを挟む
  さすが ひよりちゃんは若いだけあって、待子を追い越すと、
どんどん階段を上がって行く。
「わぁ~はやいなぁ」
ゼイゼイしながら、ようやく追いつくと、ひよりちゃんは顔色1つも
変えないで、
「だって、毎日 ランドセルを背負っているもん!」
堂々と言い切るので…なるほどなぁ~と感心する待子だ。
 確かにそうだ、毎日毎日荷物を持って、階段を上がり降りしていれば…
足腰が鍛えられて、たくましくなるわけだ…と感心したように
ひよりちゃんを見つめた。

「先に行ってるわねぇ~」
 先に頂上に着いたひよりちゃんは、こちらを見下ろしている。
「ありがとう」
 待子は見上げると、気合を入れて、再び荷物を持って、階段を
上る待子だ。
 ここの人はすごいなぁ~と感心していたけれど、
こんな毎日を送っていたら、階段の上り下りくらい、
当たり前のことになるのかなぁ~と、待子は思う。
でも…やっぱり…
「階段は、キツイなぁ~」
思わず、ため息をもらすと
「そのうち、慣れるわ!まぁ、ガンバッテ」
ニコニコしながら、大家さんはこちらを見上げていた。

「休みの間くらい、ヒマだから…荷物持ちくらい、手伝うよ」
ようやく追いついて、上がって来た待子に、ひよりちゃんは
声をかける。
もうすでに、部屋の前に立っていて、入り口の所で、
荷物を下ろして、くつろいでいるように見える…
「あ、ありがとう。後は、自分でするよ」
キッパリとした口調で、声をかけると
「手伝おうか?」
なおも言ってくれる。
それってありがたいなぁ~と思っていると、
「あら、おかえりなさい」
今度は別の顏…レイコさんが、顔をのぞかせた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたし異世界でもふもふ達と楽しく過ごします! もふもふアパートカフェには癒し系もふもふと変わり者達が生活していました

なかじまあゆこ
ファンタジー
空気の読めない女子高生満里奈が癒し系のもふもふなや変わり者達が生活している異世界にトリップしてしまいました。 果たして満里奈はもふもふ達と楽しく過ごせるのだろうか? 時に悩んだりしながら生活していく満里奈。 癒しと笑いと元気なもふもふスローライフを目指します。 この異世界でずっと過ごすのかそれとも? どうぞよろしくお願いします(^-^)/

記憶のカケラを求めて、今日もきみに嘘をつく

美和優希
ライト文芸
夏祭り会場で起こった悲惨な事故で兄を亡くした柏木将太。 兄とともに夏祭り会場で事故に巻き込まれ、しばらく意識が戻らずにいた、幼なじみ、兼、兄の彼女の梶原花穂。 花穂の目が覚めたという連絡を受けて、将太が花穂の入院する病院へ向かうが、そこにいたのは将太の知っていた花穂ではなかった。 花穂は記憶喪失により、将太のことだけでなく兄のことも花穂自身の両親のことさえわからなくなってしまっていたのだ。 そんな花穂の前に将太が兄の姿をして立ってみたら、花穂は兄の姿をした将太を見て兄の呼び名を口にして──。 ○o。.偽りの姿で、記憶のカケラを探して思い出の地をまわる、僕らの夏休みが始まった。○o。. 初回公開*2019.02.21~2019.02.28 アルファポリスでの公開日*2020.04.30

阿漕の浦奇談

多谷昇太
ライト文芸
 平安時代後期の宮中でめったに起きないことが出来しました。北面の武士佐藤義清と、彼とは身分違いにあたる、さる上臈の女房との間に立った噂話です。上臈の女房が誰であったかは史書に記されていませんが、一説ではそれが中宮璋子であったことが根強く論じられています。もし事実であったならまさにそれはあり得べからざる事態となるわけで、それを称して阿漕の浦の事態という代名詞までもが付けられているようです。本来阿漕の浦とは伊勢の国の漁師で阿漕という名の男が、御所ご用達の漁場で禁漁を犯したことを云うのです。空前絶後とも云うべきそれは大それた事、罪でしたので、以後めったに起きないことの例えとして阿漕の浦が使われるようになりました。さてでは話を戻して冒頭の、こちらの阿漕の浦の方ですが仮にこれが事実であったとしたら、そこから推考し論ずべき点が多々あるようにも私の目には写りました。もの書き、小説家としての目からということですが、ではそれはなぜかと云うに、中宮璋子の置かれた数奇な運命と方やの佐藤義清、のちの西行法師の生き様からして、単に御法度の恋と云うだけでは済まされない、万人にとって大事で普遍的な課題があると、そう着目したからです。さらにはこの身分違いの恋を神仏と人間との間のそれにさえ類推してみました。ですから、もちろんこの物語は史実ではなく想像の、架空のものであることを始めに言明しておかねばなりません。具体的な展開、あらすじについてはどうぞ本編へとそのままお入りください。筋を云うにはあまりにも推論的な要素が多いからですが、その正誤についてはどうぞ各々でなさってみてください。ただ異世界における、あたかも歌舞伎の舞台に見るような大仕掛けがあることは申し添えておきます。

アパートの騒音

二ノ宮明季
キャラ文芸
第131回フリーワンライで書いた作品です。 使用お題は、『ドコイにコイ(コイは変換可能 )』、『解いたリボン、現れた白』。 小説家になろうとピクシブにも同じ作品を掲載しています。

天笠鈴音のちょい話

天笠鈴音
ライト文芸
私の周りでは、毎日楽しいことがいっぱい! 今まであった話や、思い出などなども たくさん! そんな私のお話です! ⚠気まぐれ投稿で、公開・非公開すぐ変えます(*ノω・*)テヘ

N -Revolution

フロイライン
ライト文芸
プロレスラーを目指すい桐生珀は、何度も入門試験をクリアできず、ひょんな事からニューハーフプロレスの団体への参加を持ちかけられるが…

聡明な彼女と透明なボクの交換日記

志波 連
ライト文芸
 「出会い」というのは偶然なのか、必然なのか。  そんな哲学的なことはどうでもよくて、でも、「出会い」こそ地球上の人類が繁栄し続けるための唯一のキーワードであることは疑う余地がありません。  薄曇りの不安定な空模様のある日、何かに引かれるように二人の男女が出会います。 恥ずかしそうに語り掛ける女性。戸惑いながら答える男性。日常のそこかしこで見かける他愛もない光景。ほほえましいひと時です。   どこにでもあるそんな出来事ですが、たった一つだけ違うところが有りました。  そう、男性は「透明人間」だったのです。  透明人間の「ディアファン」と小学校教師の「はるか」はひょんなことから今時古風な交換日記を始めることになりました。普通の人間と透明人間が交際し始めるのに、何が適切か彼らなりに考えた方法だったのでしょう。  舞台は現在。透明人間という存在が公になってから約1年。もともと噂程度に「透明人間がいるらしい」という話は昔からありました。そんな半信半疑な中、とある事件がきっかけになって透明人間が明るみにでてしまい、出演したテレビでもトリックでないことが証明されました。  当時、最低支持率を更新し続けていた首相の人気取り政策で「透明人間保護法」というよくわからない法律が制定され、透明人間に基本的な人権と選挙権が与えられました。  当の透明人間たちは考え方もばらばらで、この機会にと「マイナンバーカード」を作る者もいれば、今まで通り密かに暮らし続ける者もいて、結局、数十人の登録者が「日本人」と認められました。  そんな世界の片隅で出会った二人でしたが、はたしてうまくいくのでしょうか。  まだ今は交際が始まったばかり。今後のことなんて二人は全然考えてなんかいません。  そんな二人の行く末を、我々は日記を盗み見しながら見守ろうではありませんか。  他サイトでも掲載しています。  表紙は写真ACより使用しました。

ハナサクカフェ

あまくに みか
ライト文芸
第2回ライト文芸大賞 家族愛賞いただきました。 カクヨムの方に若干修正したものを載せています https://kakuyomu.jp/works/16818093077419700039 ハナサクカフェは、赤ちゃん&乳児専用のカフェ。 おばあちゃん店長の櫻子さん、微笑みのハナさん、ちょっと口の悪い田辺のおばちゃんが、お迎えします。 目次 ノイローゼの女 イクメンの男 SNSの女 シングルの女 逃げた女 閑話:死ぬまでに、やりたいこと

処理中です...