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第6章 魔女の館へようこそ!
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「買ったばかりの自転車にも、チェーンが必要だなぁ」
急に思いついたように、待子は思い返す。
「後で、100均に寄ってもいい?」
そうすると、ひよりちゃんは大人びた表情で
「いいわよ」と答えた。
一瞬、どちらが大人なんだ…と思ったけれど、よくよく考えてみれば
自分もまだ半人前の子供だ。
なりは大きいけどね、と待子は苦笑する。
「こっち、こっち!」
1度通ったのだから、いい加減覚えているだろうと思っていたのに、
結局は、ひよりちゃんに先導してもらうことになる。
くやしまぎれに、
「ダメだなぁ~まだ、全然覚えていないわぁ」
と先ほどから、ブツブツ言っている。
ひよりちゃんがいなかったら、家に帰るのも、ままならなかった
に、違いない。
ガッカリして、自転車から降りると
「そんなもんよぉ。この辺って、目印がないから、
どこも似たり寄ったりで、わかりにくいのよ」
余裕の笑みで、ひよりちゃんは言う。
「あの道のね、角のこの植木鉢で曲がるの」
ひよりちゃんは、クルリと振り向くと、元来た道すじを
指差して教えてくれる。
「そしてね、曲がってすぐの道を、ちょっと入ると、この道に
出て来るのよ」
何度も道案内でもしているのだろうか。
ひよりちゃんの説明は、とても分かりやすい。
「大きな道もあるけれど、遠回りになるからねぇ」
こうしてこっそりと、小さな裏道を教えてくれたのだ。
急に思いついたように、待子は思い返す。
「後で、100均に寄ってもいい?」
そうすると、ひよりちゃんは大人びた表情で
「いいわよ」と答えた。
一瞬、どちらが大人なんだ…と思ったけれど、よくよく考えてみれば
自分もまだ半人前の子供だ。
なりは大きいけどね、と待子は苦笑する。
「こっち、こっち!」
1度通ったのだから、いい加減覚えているだろうと思っていたのに、
結局は、ひよりちゃんに先導してもらうことになる。
くやしまぎれに、
「ダメだなぁ~まだ、全然覚えていないわぁ」
と先ほどから、ブツブツ言っている。
ひよりちゃんがいなかったら、家に帰るのも、ままならなかった
に、違いない。
ガッカリして、自転車から降りると
「そんなもんよぉ。この辺って、目印がないから、
どこも似たり寄ったりで、わかりにくいのよ」
余裕の笑みで、ひよりちゃんは言う。
「あの道のね、角のこの植木鉢で曲がるの」
ひよりちゃんは、クルリと振り向くと、元来た道すじを
指差して教えてくれる。
「そしてね、曲がってすぐの道を、ちょっと入ると、この道に
出て来るのよ」
何度も道案内でもしているのだろうか。
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こうしてこっそりと、小さな裏道を教えてくれたのだ。
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