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第6章 魔女の館へようこそ!
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「すごいねぇ」
思わず言うと、
「すごいでしょ」とひよりちゃんが言う。
思わず頭が下がる思いだ。
まさか小学生の女の子の方が、シッカリしてるとは、と思っていると…
「うちのママって、すごいんだ」と言うから、アレ?と思った。
「ひよりちゃんも!ホント、えらいよ」
それでも重ねて言うと、照れたように頭をかきむしると
「ぜんぜん!そんなこと、ないよぉ」
ヒマワリのような、だけど少しはにかんだ笑顔を見せる。
「もう」と、ボンと背中をたたくと、待子はよろけそうになる。
「大したこと、ないよ!
当たり前のことだもん。
それよりも…お姉さんの方が、大変だよ」
と、目をグルリと回して見せる。
「何にもないのに、1人で暮らすんだもん」
「そう…何にも、ないんだよねぇ」
思い出すと、力が抜けるけれど…
目の前のひよりちゃんの笑顔を見ると、何だか元気になるような
気がする。
「よし、行こうか」
玄関を出ると…ひよりちゃんは自転車を押して、待子は
その傍らを歩き始めた。
「まずは、自転車が欲しいなぁ」
ハンドルを持つひよりちゃんの後ろで、自転車を押しながら言うと
「よろず屋さんにはあるわよ」
ハンドルを握ったまま、いともあっさりと、ひよりちゃんは言う。
「あそこなら、中古できれいなのが、たくさんあるわよ」
言葉だけ聞くと、生活力のある、主婦のようだ。
「大丈夫かしら、すぐにパンクしない?」
心配そうに聞くと
「新品だと、すぐに盗まれるから、慣れるまでは、中古で十分!
だって、この自転車も、よろず屋さんで買ったんだもん!」
妙に説得力のある言葉で、待子も「うん」とうなづいてしまう。
「見えないでしょ?」
そう言うと…自慢そうにチラリと、待子を振り返った。
思わず言うと、
「すごいでしょ」とひよりちゃんが言う。
思わず頭が下がる思いだ。
まさか小学生の女の子の方が、シッカリしてるとは、と思っていると…
「うちのママって、すごいんだ」と言うから、アレ?と思った。
「ひよりちゃんも!ホント、えらいよ」
それでも重ねて言うと、照れたように頭をかきむしると
「ぜんぜん!そんなこと、ないよぉ」
ヒマワリのような、だけど少しはにかんだ笑顔を見せる。
「もう」と、ボンと背中をたたくと、待子はよろけそうになる。
「大したこと、ないよ!
当たり前のことだもん。
それよりも…お姉さんの方が、大変だよ」
と、目をグルリと回して見せる。
「何にもないのに、1人で暮らすんだもん」
「そう…何にも、ないんだよねぇ」
思い出すと、力が抜けるけれど…
目の前のひよりちゃんの笑顔を見ると、何だか元気になるような
気がする。
「よし、行こうか」
玄関を出ると…ひよりちゃんは自転車を押して、待子は
その傍らを歩き始めた。
「まずは、自転車が欲しいなぁ」
ハンドルを持つひよりちゃんの後ろで、自転車を押しながら言うと
「よろず屋さんにはあるわよ」
ハンドルを握ったまま、いともあっさりと、ひよりちゃんは言う。
「あそこなら、中古できれいなのが、たくさんあるわよ」
言葉だけ聞くと、生活力のある、主婦のようだ。
「大丈夫かしら、すぐにパンクしない?」
心配そうに聞くと
「新品だと、すぐに盗まれるから、慣れるまでは、中古で十分!
だって、この自転車も、よろず屋さんで買ったんだもん!」
妙に説得力のある言葉で、待子も「うん」とうなづいてしまう。
「見えないでしょ?」
そう言うと…自慢そうにチラリと、待子を振り返った。
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