桜ハウスへいらっしゃい！

第６章 魔女の館へようこそ！

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「まずはね、自転車が欲しいの！」
　待子がそう言うと、じぃっと聞いていたひよりちゃんは、
「わかった」と言う。
それからふいに、
「お姉さん、車の免許は？」と聞くので、
「まだ、持ってないのよ」
ずいぶんしっかりとした小学生だなぁ…と感心する待子だ。
「お布団はやっぱり、キチンとしたお店がいいな！
　あとは、電化製品も欲しいの」と言うと、
「よろず屋さん、結構たくさんあるよ」と不意にひよりちゃんが言う。
「ママはよく…粗大ごみの日に、あれこれ拾ってくるけど…」
階段を降りながら、ひよりちゃんが思い出しつつ言うと、
「気をつけて、行ってらっしゃい」
廊下から、大家さんの声がした。

　まさか小学生に、大きい荷物を持たせるわけにはいかないから
「そこ…配達とか、してくれるの？」
一応確かめるように、言う。
「さぁ？」
周りの期待ほどの大したものはなく…
後はなんとか、自力でがんバルしかないのか…と、
切実な思いに、捕らわれている。
こわばった右頬を、どうにか動かすと…
「ママは時々、トラックを借りて乗ってるけど…
　免許がないなら、それはムリかぁ」
真面目な顔をして、ひよりちゃんは考え込む。
「ね、ひよりちゃんてば、今何年生？」と聞くと、
「４年生だよ」
　なんで？という顔をして聞くから、自分が４年生の時は、
　どうだったのだろう…
あらためて考える待子だ。