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第6章 魔女の館へようこそ!
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「前はねぇ~学生さんも多かったし、留学生さんなんかも、いたことあったけど…
最近は、ちょっと違うわねぇ。
今はもう、あんまり募集はかけないようにしてるの。
フジヨシさんには、いい人がいたら、紹介して…と頼んでいるだけ。
だから私もあまり、口出ししないようにしてるの」
人の好さそうな顔で、大家さんは微笑んだ。
とてもいい人だ、と思う。
今までトラブルなど、なかったのだろうか?
待子はふと、そんなことが気になってしまう。
それから「あっ」と大家さんは言うと、
「あと1つ」と、指を1本立てる。
「ここは一応女性専用だから…人を止める時には、ルールを守って
もらいます。
あとは…言ってくれたら、その人もお風呂に入れるわよ」
「あのぉ、銭湯とか、ないんですか?」
おずおずと待子が聞くと、
「あぁ~、近所にあったかしらねぇ」
その辺は詳しくないのよ、と大家さんは申し訳なさそうに言った。
ついでだから、汗を流して来たら…と勧められるままに、ありがたく
1番風呂に入らせてもうらうことに…
もっとも荷物をまだ、全部出してないので、着替えはボストンバッグの中、
シャンプーも歯ブラシも、まだ出ていない…
「シャンプーも好きに使っていいわよ」
ドア越しに、声をかけてくれるので、気を遣うことなく、
お言葉に甘えることにした。
ドアにも、一応小さな鍵がついているけれど…
新しい鍵を作り変えるか、さらにもう1個つけるのか…
とにかく明日、がんばらなくては、と思う。
中に入ったら、大家さんの言った通り、非常用のベルもついていた。
最近は、ちょっと違うわねぇ。
今はもう、あんまり募集はかけないようにしてるの。
フジヨシさんには、いい人がいたら、紹介して…と頼んでいるだけ。
だから私もあまり、口出ししないようにしてるの」
人の好さそうな顔で、大家さんは微笑んだ。
とてもいい人だ、と思う。
今までトラブルなど、なかったのだろうか?
待子はふと、そんなことが気になってしまう。
それから「あっ」と大家さんは言うと、
「あと1つ」と、指を1本立てる。
「ここは一応女性専用だから…人を止める時には、ルールを守って
もらいます。
あとは…言ってくれたら、その人もお風呂に入れるわよ」
「あのぉ、銭湯とか、ないんですか?」
おずおずと待子が聞くと、
「あぁ~、近所にあったかしらねぇ」
その辺は詳しくないのよ、と大家さんは申し訳なさそうに言った。
ついでだから、汗を流して来たら…と勧められるままに、ありがたく
1番風呂に入らせてもうらうことに…
もっとも荷物をまだ、全部出してないので、着替えはボストンバッグの中、
シャンプーも歯ブラシも、まだ出ていない…
「シャンプーも好きに使っていいわよ」
ドア越しに、声をかけてくれるので、気を遣うことなく、
お言葉に甘えることにした。
ドアにも、一応小さな鍵がついているけれど…
新しい鍵を作り変えるか、さらにもう1個つけるのか…
とにかく明日、がんばらなくては、と思う。
中に入ったら、大家さんの言った通り、非常用のベルもついていた。
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