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第5章  いざ!出陣!

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「そうか?…そうだな」
 若干 淑子の顔色を気にしていたのか…貴文は少しホッとした
顏をするのを、待子は見逃さなかった。
淑子は「フン」と言うと、再び視線を窓の外に戻した。
「だ、そうだ」
貴文も前を向くと、助手席の待子に、軽く声をかける。

 とても気まずい空気が、重苦しく流れた。
それでも貴文の意見に従い、
「腹が減っては、戦が出来ぬ」と言って、とにかく腹に
何か入れておこう、ということになった。
あちこち行くよりは…と、目についたショッピングモールの
フードコートで、軽くはらごしらえをする。
お腹が満たされると…重苦しい雰囲気も、和らいだかのように見えた。
それからようやく、目的地へと向かうのだった。

「どこだ?」
 それまでナビに頼って、順調に車を進めていた、貴文だったが…
一見すると、ここは住宅街。
目立った看板がなく…どれが目指す家なのかわからずに、戸惑いを隠せない…
まさか目指す家が、かなり古い物件だと、まだ父に打ち明けていなかった
からだ…
「ほら、あそこよ!桜ハウスって、看板があるでしょ?」
またも後部座席から、ブスッとした淑子の声が聞こえてきたので…
「えっ、これがそうかぁ?」
あまりにボロボロの風格で、そびえていた…
 さすがの父も、それを認めた時…かなり驚いた様で、絶句したようだ。
それも無理はない…
誰だって、この古びた家に、人が住んでいるとは、思わないのだろう…

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