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第5章  いざ!出陣!

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(フツウ、そうよね?そう思うよね?)
 父と母のやり取りを見て、何だか待子は少し安心する。

「なんだ!せめてこっちから送るように手配すれば、後は受け取るだけで
 すむのに」
 それでも呆れたように、父が言うので…車内には、重たい空気が
流れた。
「ならば、あなたがしてくださいな!
 私はもう知りません」
淑子はブスッと黙り込み…さっさと後部座席におさまった。
「あらら、怒っちゃった」
父は全くこたえないように、待子の方を振り向くと…
「今日ダメだったら、しばらく家から通うといい…」
励ますように、穏やかに待子に言った。
父、貴文の言葉を聞くと、なぜだか待子は、少し落ち着いた。
今まで散々、母親にヤイヤイ言われてきたので…
もしかして、自分の考えが、間違っているのではなかろうか…
そう不安になってきたのだ。

 普段は、風野家においては、存在感のない父親が…
この時ばかりは、頼もしく見えて来た。
「さぁ~そうとなったら、早く行かなくちゃ、いけないなぁ」
 掃除道具1式と、雑巾でいいだろう…とやはり、当座の荷物を
トランクに詰め込むと、貴文は腕まくりをした。
「さぁ、出発するぞ」
せかすように、淑子と待子を振り返ると…
あきらかに淑子は、ブスッとした顔をしていた。
「あなたが行くのなら…私は行かなくてもいいわね?」
いきなり切り出すので、待子は戸惑ってしまう…
すると貴文は、淑子を見ると、
「なに言ってるんだよ!
 人数が多い方が、何かと便利だろ?」
急に行動的に動く貴文だ。
今日の父は何だか、アグレッシブだ…
こんな父さん、初めて見たなぁ~と、驚いた様に見つめる、待子だ…
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