63 / 428
第4章 引っ越し前奏曲
7
しおりを挟む
「あっちに直接、配達してもらえばいいって!」
やや勝ち誇ったように、待子が言うと…淑子は少し口をゆがませると、
「誰が言ったの?」
鋭い目つきで、押し殺した声で聞き返す。
「キョーコが…」
淑子に負けるものかと、キュッと口を引き結ぶと、ははーんと、
侮るような顔つきで、淑子は待子を見る。
「あなた…いつから、相沢さん家の子になったのかなぁ」
さり気なくイヤミを言う…
「うちはうち!あちらはあちら!
そもそもが違うんだからね!」
キッパリと待子に言う…
それにしても…と待子は思う。
あんなに杏子のママのことは、憧れていたというのに…
どうして、そんなにかたくななのだろう…
「ま、それでもいいんだけどね」
少し憐れむような目付きで、待子を見る…
「中古でも、いいのあるから…
家電はそれで、十分!」
やっぱりキッパリと言い切る…
(やはりダメかぁ~)
待子はひどくガッカリする…
「お布団は?」
「うちの、余ったのを持って行けば?」
「ね、パソコンは?」
「パソコン~?」
まるで想定外だ、とばかりに、きゅっと眉毛を吊り上げると、
淑子はかん高い声を上げる。
だけどそんなことで、待子はあきらめたりはしない…
「学校で、課題を出す時にいるんだって」
ひるむことなく、待子は言う…
「生協でも扱っているけれど、どうでもいいって」
無頓着な顔の淑子に、「はい」と手渡すと
「また、余計なものを…」
淑子は大きくため息をつくと、黙り込んでしまった…
やや勝ち誇ったように、待子が言うと…淑子は少し口をゆがませると、
「誰が言ったの?」
鋭い目つきで、押し殺した声で聞き返す。
「キョーコが…」
淑子に負けるものかと、キュッと口を引き結ぶと、ははーんと、
侮るような顔つきで、淑子は待子を見る。
「あなた…いつから、相沢さん家の子になったのかなぁ」
さり気なくイヤミを言う…
「うちはうち!あちらはあちら!
そもそもが違うんだからね!」
キッパリと待子に言う…
それにしても…と待子は思う。
あんなに杏子のママのことは、憧れていたというのに…
どうして、そんなにかたくななのだろう…
「ま、それでもいいんだけどね」
少し憐れむような目付きで、待子を見る…
「中古でも、いいのあるから…
家電はそれで、十分!」
やっぱりキッパリと言い切る…
(やはりダメかぁ~)
待子はひどくガッカリする…
「お布団は?」
「うちの、余ったのを持って行けば?」
「ね、パソコンは?」
「パソコン~?」
まるで想定外だ、とばかりに、きゅっと眉毛を吊り上げると、
淑子はかん高い声を上げる。
だけどそんなことで、待子はあきらめたりはしない…
「学校で、課題を出す時にいるんだって」
ひるむことなく、待子は言う…
「生協でも扱っているけれど、どうでもいいって」
無頓着な顔の淑子に、「はい」と手渡すと
「また、余計なものを…」
淑子は大きくため息をつくと、黙り込んでしまった…
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
短編集『サイテー彼氏』
あおみなみ
ライト文芸
今まで書いてきた恋人同士や夫婦にまつわる短編で、「こいつはないわー」という男が登場するものだけを集めてみました。
ちょっと間が悪いだけだったり、女性の方にも問題があったりと、最低!と糾弾するほどでもない人も含まれますが、そこは読んだ方の捉え方次第です。
結構読んでいただいたものも、さっぱりだったものもあります。
そのまま再公開ではなく、大筋が変わらない程度のリライトや修正はされていると思いますので、新しい読者の方はもちろんのこと、一度読んだ記憶があるという方も、ぜひのぞいてくださいませ。
単発で公開したVer.は、残っている場合と非公開になっている場合がありますので、ご了承ください。
天笠鈴音のちょい話
天笠鈴音
ライト文芸
私の周りでは、毎日楽しいことがいっぱい!
今まであった話や、思い出などなども
たくさん!
そんな私のお話です!
⚠気まぐれ投稿で、公開・非公開すぐ変えます(*ノω・*)テヘ
記憶のカケラを求めて、今日もきみに嘘をつく
美和優希
ライト文芸
夏祭り会場で起こった悲惨な事故で兄を亡くした柏木将太。
兄とともに夏祭り会場で事故に巻き込まれ、しばらく意識が戻らずにいた、幼なじみ、兼、兄の彼女の梶原花穂。
花穂の目が覚めたという連絡を受けて、将太が花穂の入院する病院へ向かうが、そこにいたのは将太の知っていた花穂ではなかった。
花穂は記憶喪失により、将太のことだけでなく兄のことも花穂自身の両親のことさえわからなくなってしまっていたのだ。
そんな花穂の前に将太が兄の姿をして立ってみたら、花穂は兄の姿をした将太を見て兄の呼び名を口にして──。
○o。.偽りの姿で、記憶のカケラを探して思い出の地をまわる、僕らの夏休みが始まった。○o。.
初回公開*2019.02.21~2019.02.28
アルファポリスでの公開日*2020.04.30
さや荘へようこそ!(あなたの罪は何?)
なかじまあゆこ
ホラー
森口さやがオーナーのさや荘へようこそ!さや荘に住むと恐怖のどん底に突き落とされるかもしれない!
森口さやは微笑みを浮かべた。 上下黒色のスカートスーツに身を包みそして、真っ白なエプロンをつけた。 それからトレードマークの赤リップをたっぷり唇に塗ることも忘れない。うふふ、美しい森口さやの完成だ。 さやカフェで美味しいコーヒーや紅茶にそれからパンケーキなどを準備してお待ちしていますよ。 さやカフェに来店したお客様はさや荘に住みたくなる。だがさや荘では恐怖が待っているかもしれないのだ。さや荘に入居する者達に恐怖の影が忍び寄る。 一章から繋がってる主人公が変わる連作ですが最後で結末が分かる内容になっています。
悪女の指南〜媚びるのをやめたら周囲の態度が変わりました
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
恋愛
【何故我慢しなければならないのかしら?】
20歳の子爵家令嬢オリビエは母親の死と引き換えに生まれてきた。そのため父からは疎まれ、実の兄から憎まれている。義母からは無視され、異母妹からは馬鹿にされる日々。頼みの綱である婚約者も冷たい態度を取り、異母妹と惹かれ合っている。オリビエは少しでも受け入れてもらえるように媚を売っていたそんなある日悪女として名高い侯爵令嬢とふとしたことで知りあう。交流を深めていくうちに侯爵令嬢から諭され、自分の置かれた環境に疑問を抱くようになる。そこでオリビエは媚びるのをやめることにした。するとに周囲の環境が変化しはじめ――
※他サイトでも投稿中
人生負け組のスローライフ
雪那 由多
青春
バアちゃんが体調を悪くした!
俺は長男だからバアちゃんの面倒みなくては!!
ある日オヤジの叫びと共に突如引越しが決まって隣の家まで車で十分以上、ライフラインはあれどメインは湧水、ぼっとん便所に鍵のない家。
じゃあバアちゃんを頼むなと言って一人単身赴任で東京に帰るオヤジと新しいパート見つけたから実家から通うけど高校受験をすててまで来た俺に高校生なら一人でも大丈夫よね?と言って育児拒否をするオフクロ。
ほぼ病院生活となったバアちゃんが他界してから築百年以上の古民家で一人引きこもる俺の日常。
――――――――――――――――――――――
第12回ドリーム小説大賞 読者賞を頂きました!
皆様の応援ありがとうございます!
――――――――――――――――――――――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる