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第1章  そして決戦の火ぶたが落とされる

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「ちょっと待って!私も一緒に行きたかったのになぁ」
突然の杏子の言葉に、思わず声をもらすと、杏子はケラケラと笑って、
「でも、待子のお母さんが、うんと言わなきゃ、ダメでしょう…」
あまり気に留めてもらえないので、そうだよなぁ~と
当たり前のことながら、少しガッカリとする。
「とにかくまぁ、家を出ることを認めてくれた、それだけで…
 よしとしよっ?
 ダメなら、『通え』と言われるダケだしさぁ」
杏子の言葉に、それもありうる…と、待子は首を縮めた。
「やめてよぉ~ホントになりそうで、怖いなぁ」
すると、ケラケラと楽しそうに杏子は笑って、
「まさかぁ」と、言う。
「杏子のママと、うちのガメラ、入れ替わればいいのに…」
半ば本音で文句を言うと…
「うちのママ、ああ見えて結構、メンドーなとこ、
 あるのよ」
 少しうっとおしそうに、杏子は答えた。
そういうものなのだろうか…
いいお母さんに、見えるのになぁ~
待子はあらためて、杏子の母親の顔を思い浮かべて、意外に思う…
受話器の向こうから、ふわぁ~と、杏子の何度目かのアクビが聞こえて
きたので、
「わかった、とにかくまぁ,がんばってみるわ」
と言うと、今回のところは、これ以上、杏子にグチを言うのを、
遠慮することにした。
とにかく、明日だ!
ここは何とか、がんばろう…
そう心に強く思う、待子だった。



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