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第14章 混線

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(そうだけど…)
 玲だって、それはわかっている。
でも、いつまでもこうしているわけにもいかないのではないか?
玲はそう思うけれども…
「いいから、さっさと探すよ!
 実は気になるところがあるんだ」
秀人は急に、いたずらっぽい目をすると、再び目を輝かせるのだった。

 気になるところ…という言葉に、玲は敏感に反応する。
確かに玲も、気になる箇所が、何か所かあったので…
この際だから、一緒に探せばいいのではないか、と思う。
(ここで解散なんて、いつでも出来るしなぁ)
せめて少しだけでも、お互いに寄り添って、この局面を
乗り越えなければ、そう思う玲なのだ。

「それにしても、なんだ?
 ここは…まるで忍者屋敷か、カラクリ屋敷だなぁ」
言ってる本人が気に入ったらしく、さっきからずーっと
そう言っているのだ。
 ロビーに人があまりいないのを見て取ると…
ササッと何食わぬ顔をして、エレベーターではなくて、
階段を使って、歩くのだ。
 例の不気味な肖像画とか、不規則な幾何学模様の額縁とか…
ここには珠紀がいない、と玲は思っているのだが、
好奇心の方が勝っていた。
どっちにしろ、気になることは、スッキリとさせたいのだ。
「何か跡が残っているはずだ」
やけに自信満々にそう言うと…
目を皿のようにして、探すのだった。

(ここは以前にも、来た…)
そう玲は思うのだけれど、あえて、口にはしない。
なぜならそんなことをしたら、
「何をしてたんだ」
「どこに繋がるのか?」
逆にうるさく聞かれることも、多々あるからだ…

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