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第3章 新しい訪問者
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エレベーターから出ると…各々フカフカの、靴の先までめり込むような
ジュウタンの敷いている廊下を歩いて行く。
いたるところに、壁には等間隔に額縁が飾ってあり、その近くには、
寄り添うように花が添えられている。
シックなアイボリーの壁紙と、ランプの形のライトがとても印象的だ。
「まぁ、なんて素敵!」
先ほどから…女性陣のため息が、そこかしこに漏れている…
外見がゴシック調のお屋敷風だとすると、中がロココ調の家具で彩られている。
(まぁ、そこらへんは、あまりよくわからないけれど…)
外見に対して、かなりのギャップで、華やかな雰囲気だ。
さらには壁の縁にも気を使っていて、金色の縁取りをほどこしてある。
それだけでも、女の子の心をわしづかみにするには、十分だった。
「わぁ、スゴイ」
思わず立ち止まり、数々の繊細なタッチの絵を眺めると…
(無名の画家の絵のようだ…)
側に添えている、バラの香りをかぐ…
ここはどこ?
まるでお城の中にいるみたい…と、そのたびごとに、女性たちはうっとりとした。
もちろん男性陣も、感心してみてはいるけれど、そこまで心を
揺さぶられるわけではない。
(何しろこれから何が起こるか…と、今後のことを思うと、
ワクワクしているからだ)
早く先を急ぎたい気持ちがつのり、クルリと後ろを振り向くと
「ごめん、先に行ってるね!」
ついにしびれをきらして、秀人はカオリに向かって声をかけた。
「あとでまた、集まろう」
そう言うと…
「えーっ!」と不満そうに、カオリ先輩の声が響く。
だがそれは無視して、秀人は賢人たちに向かってうなづいた。
ジュウタンの敷いている廊下を歩いて行く。
いたるところに、壁には等間隔に額縁が飾ってあり、その近くには、
寄り添うように花が添えられている。
シックなアイボリーの壁紙と、ランプの形のライトがとても印象的だ。
「まぁ、なんて素敵!」
先ほどから…女性陣のため息が、そこかしこに漏れている…
外見がゴシック調のお屋敷風だとすると、中がロココ調の家具で彩られている。
(まぁ、そこらへんは、あまりよくわからないけれど…)
外見に対して、かなりのギャップで、華やかな雰囲気だ。
さらには壁の縁にも気を使っていて、金色の縁取りをほどこしてある。
それだけでも、女の子の心をわしづかみにするには、十分だった。
「わぁ、スゴイ」
思わず立ち止まり、数々の繊細なタッチの絵を眺めると…
(無名の画家の絵のようだ…)
側に添えている、バラの香りをかぐ…
ここはどこ?
まるでお城の中にいるみたい…と、そのたびごとに、女性たちはうっとりとした。
もちろん男性陣も、感心してみてはいるけれど、そこまで心を
揺さぶられるわけではない。
(何しろこれから何が起こるか…と、今後のことを思うと、
ワクワクしているからだ)
早く先を急ぎたい気持ちがつのり、クルリと後ろを振り向くと
「ごめん、先に行ってるね!」
ついにしびれをきらして、秀人はカオリに向かって声をかけた。
「あとでまた、集まろう」
そう言うと…
「えーっ!」と不満そうに、カオリ先輩の声が響く。
だがそれは無視して、秀人は賢人たちに向かってうなづいた。
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