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第2章 伝説のホテル
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主任は急に顔をこわばらせると、これまでにないくらい緊張した
面持ちで、何事か話しながら、すぐにカウンターから立ち去った。
一体、何があったんだろう?
何が何だかわからずに、キツネにつままれた顔で、ボンヤリとする…
主任の後ろ姿を呆然と、見送っていると、
おもむろに先輩が彼の方を振りむくと、
「ねぇ、新人くん!
きみは…入って、どのくらいたつ?」
いきなり聞いてきた。
「えっ?」
彼は戸惑いの色を浮かべ、その女の先輩の方を向く。
「えーと、丁度、1週間になります」
ボソリとそう答える。
「ふぅーん」
上目遣いで、彼を見やると
「山口くん…だっけ?君ねぇ~」
呆れた顔をする。
なにがいけないんだ、とちょっとムッとすると…
先輩はまっすぐに、新人の目を見つめる。
「さっきの電話、おそらくここのオーナーよ!
あなた、オーナーの声も、知らないの?」
まるでオーナーのことを、何も知らない彼が悪い、といわんばかりに、
ひややかな、冷たい視線を向ける。
「えっ、えぇ…」
うつむきがちに、彼はうなづく。
やや頬を赤くして、一生懸命、自分の言い分を考えている。
まさかここまで言われるとは思っていなかったので…
屈辱に、打ちのめされていた。
もともとこのホテルには、親戚のオジサンの紹介で、ここに来たのだ。
特別に、ホテルマンになりたかったわけでもないし、
このホテルに、思い入れがあるわけでもない。
ただ漠然と面接を受けて…
その面接も、さっきのあの主任がしたので…
格別に何かを望んで、というわけでもなく、
何となく採用されたのだ。
だが未だに、1度も、オーナーの顔を見たことないのだ。
だから言い訳のように
「ボク…オーナーにまだ、お目にかかったこと、ないんです…」
うつむいたまま、言いにくそうにつぶやいた。
面持ちで、何事か話しながら、すぐにカウンターから立ち去った。
一体、何があったんだろう?
何が何だかわからずに、キツネにつままれた顔で、ボンヤリとする…
主任の後ろ姿を呆然と、見送っていると、
おもむろに先輩が彼の方を振りむくと、
「ねぇ、新人くん!
きみは…入って、どのくらいたつ?」
いきなり聞いてきた。
「えっ?」
彼は戸惑いの色を浮かべ、その女の先輩の方を向く。
「えーと、丁度、1週間になります」
ボソリとそう答える。
「ふぅーん」
上目遣いで、彼を見やると
「山口くん…だっけ?君ねぇ~」
呆れた顔をする。
なにがいけないんだ、とちょっとムッとすると…
先輩はまっすぐに、新人の目を見つめる。
「さっきの電話、おそらくここのオーナーよ!
あなた、オーナーの声も、知らないの?」
まるでオーナーのことを、何も知らない彼が悪い、といわんばかりに、
ひややかな、冷たい視線を向ける。
「えっ、えぇ…」
うつむきがちに、彼はうなづく。
やや頬を赤くして、一生懸命、自分の言い分を考えている。
まさかここまで言われるとは思っていなかったので…
屈辱に、打ちのめされていた。
もともとこのホテルには、親戚のオジサンの紹介で、ここに来たのだ。
特別に、ホテルマンになりたかったわけでもないし、
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ただ漠然と面接を受けて…
その面接も、さっきのあの主任がしたので…
格別に何かを望んで、というわけでもなく、
何となく採用されたのだ。
だが未だに、1度も、オーナーの顔を見たことないのだ。
だから言い訳のように
「ボク…オーナーにまだ、お目にかかったこと、ないんです…」
うつむいたまま、言いにくそうにつぶやいた。
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