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ソータローのこと…97

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(オジサンは、一人じゃあないのか?)
 第三者の登場に、宗太郎と清子は驚く。
オジサンだけでも、想定外だったので、さすがの二人もひるんでいる。
「ちょっと!やっぱり何か、隠しているんでしょ」
果敢にも清子が、オジサンに向かって声を張り上げる。
「どうした?何かあったのか?」
 入口の方から、ガタガタ…と音がする。
さらに乱暴に、バタンバタンと音を立てて、近づいて来る足音が
聞こえてきた。

「おい、そんなところで、何をしているんだ? 
 さっさと始めようぜ」
 それは、先生でも、高柳君でもなく、知らない男の人の声だ。
「すまん、ちょっと待ってくれ!
 今、リョウのお友達とやらに、からまれているんだ」
オジサンが声を張り上げる。
「はっ?」
清子が、眉をピクッとつり上げると、
「何ですって?
 からんでいるのは、そっちのほうでしょ」
抗議するように、大きく声を張り上げる。
「清子、やめろよ」
 もしも犯罪者だったら、どうするんだ?
宗太郎は、あわてて彼女の腕を引っ張った。
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