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ソータローのこと…68

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「えっ、なに?ドッキリ?どういう設定?」
 顔を引きつらせて、宗太郎が言う。
「ソータロー、お願いだから、黙って聞いて」
清子は、宗太郎が話すのをさえぎる。
「ここには…警察も立ち入ったことがあるの。
 でも…何も見つからない。
 何もよ!
 それがかえって、怖いのよ。
 あのおじいさん…きっと、この家の秘密も一緒に、あの世へ持って行く
 つもりなのよ」
そう言うと、背後を振り返る。

 今にも、死にそうな老人が一人。
他には、誰も見当たらない。
「なに?神林君の両親は、何と言っているの?」
 まるで出来の悪いミステリー小説のようだ。
宗太郎はうろたえて、神林君の方を向く。
「別に」
コイツに言っても、時間の無駄だ。
神林君は、そう思ったようだ。
「まぁ、とにかく…ここには何かがあるっていうことだ」
早口にそう言うと、もうおしまい…
とばかりに、背を向けた。
清子は何かを言いたそうにするけれど、
「たぶん…私たちの知らないことが、ここであったのよ」
そう言うと、再び後ろを振り返った。
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