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ソータローのこと…63

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「過去の罪滅ぼしって…なに?」
 何でそんなことを、知っているんだ?
宗太郎は二人を見つめる。
神林君は、腕組みをすると
「それは…わかるだろ?
 今までのことを考えたら」
なぜか、曖昧にしか答えない。
「今までのこと?」
清子はオデコに手を当てる。
「それって、やっぱり、ソータローのこと?」
気になることを口にする。
「ボクのこと?
 ボクのことって…なに?」
一体二人は、何を知っているのだろう?
自分のことなのに、何も知らない。
そんなことは、おかしいだろ?
宗太郎は、グッとこぶしを握り締める。

 狭い物置小屋で、三人は顔を突き合わせている。
おかしな状況だ。
しかも奥には、老人のベッドまである。
一体、どこをどう押したら、こういうことになるのだろう?
宗太郎には、一向にわからない。
だが清子は「そうかぁ」とつぶやくと、
「まぁ、そう言われたら、わからないでもないけれど」
なぜか、宗太郎をさしおいて、納得している。
「で、ソータロー。
 どこまで覚えてる?」
いきなり清子が、宗太郎に話を振る。
「えっ」
宗太郎は戸惑う。
どこまで?
そもそも、何の話なんだ?
二人の顔を見比べた。
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