御手洗さんの言うことには…

daisysacky

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ソータローのこと…59

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「それは…」
 清子はみるみる青ざめた顔をすると、言葉をつまらせる。
いつもは強気な態度で、変な理屈を振りかざす彼女が…
目に涙を浮かべている。
「ねぇ、リョウくん。
 復讐しているの?
 おじいさんに、あんな目に合わせて。
 仕返しをしている、と言うの?」
思いもかけないことを、口にする。
「えっ?清子…なに?
 復讐って?
 仕返しってなに?」
 神林君どころでは、なくなった。
ただでさえ自分は、記憶がない、というのに。
それなのに、二人は自分のことなどとんちゃくしないで、
ドンドン話を進めていく。

「さぁ~それは、どうかな?」
 一瞬彼は、言葉を失うけれど、すぐに調子を取り戻す。
(いや、そうでもないな)
宗太郎は気が付く。
神林君の指先が、わずかにピクピクと動いていることを…
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