御手洗さんの言うことには…

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ソータローのこと…５５

「荒療治？」
　どうにも、この上から目線が、宗太郎は気に入らない。
「もしかしたら、ここにいれば、何かわかるかと思って」
清子はうかがうようにして、宗太郎を見る。
「何のために？」
宗太郎はイライラしながら、清子と神林君を順繰りに見る。
「さぁ～何のためかなぁ？」
からかうように、神林君が言う。
「勝手なことを言うなよ！
　そもそも…神林君が、ここに出入りするから…
　高柳君が、余計な勘繰りをするんだろ？」
自分の胸におさめておくつもりだったのだが、ついに宗太郎は、
本人に向かって声を放ってしまった。

「あっ、やっぱり？」
　だが彼は、少しも動じる様子がない。
むしろ予想の範囲内だ、という様子で、ニヤニヤとしている。
「そっかぁ～
　それで、気を使ってくれていたわけなんだな」
　それは、どうも！
まるで他人事のような顔をする。
（何なんだ、コイツは！）
宗太郎は肩透かしを食らったように感じて、思わずムッとする。
「なんでそんなに、ここにこだわるんだ？」
この際だから、聞いてしまえ！と、宗太郎は遠慮というものをかなぐり
捨てて、そのものズバリを尋ねる。
おそらくは、他の連中も同じように気になるのだろう…
だが神林君は、表情を少しも変えることなく、
「さぁ～何でだろうなぁ」
相変わらず、ニヤニヤ笑いが止まらないようだ。