御手洗さんの言うことには…

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ソータローのこと…４７

　学校帰り、ランドセルを背負ったまま、宗太郎と待ち合わせをして、
ここにやって来た。
いつも誰かしらが、ここに来ていた。
きっと、単なる好奇心からだろう…
そう清子が思っていたのだが、それ以外にも、何かあったのだろうか？
「単純に…お菓子につられて、来ていたんじゃあないのか？」
考え過ぎだろ、と宗太郎が言うけれども。
「それだけじゃあないと思う…
　だって、色んな子が来ていたもの」
　それは、クラスメイトだけではない。
うんと小さな子も、年上の子も、様々な子が来ていた。
まるで、ハーメルンの笛吹みたいに、この中に消えた子供も、混ざって
いたのだろうか？
（もしいたら、きっと大人たちが大騒ぎをしていたはず）
清子の把握している限り、それはなかった…と思う。
「子供って、珍しい所に来たがるからなぁ～
　近所でも、有名なお化け屋敷だし、おじいさんが遊んでくれていたんだろ？」
きっと、放課後の子供たちの遊び場だったのだろうか？
一瞬、何かが気にかかったけれども。
それが何なのか、宗太郎にはわからなかった。

「じゃあ…何か覚えてる？」
　清子の記憶に頼らないと、何も思い出せない自分のことが、宗太郎には
歯がゆくて仕方がない。
「うーん、そうだなぁ」
案の定、清子は考え込む。
そうして、倉庫の中を見回すと、
「私たちはいつも、みんなと別行動だったの。
　外で遊ぶこともあったのだけど…
　ここによく、入り浸っていた」
大抵の子は、外で遊んでいた…と清子は思い出す。
「ここは、森の中だし、大人には怒られることもなかったし」
遠い昔を懐かしむような目で、宗太郎に視線を向けた。