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ソータローのこと…35

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「ねぇ、ソータロー。
 ソータローは、探し物が得意だったの…覚えてる?」
 背を向けたまま、清子が話しかけてくる。
「そうなのか?」
「そう…だって、ここも、ソータローが見つけたんだもん!」
ニコニコしながらら、木箱の上に座る。

(キヨコは…ここが怖くはないのだろうか?)
 ふと宗太郎は、そんなことを思う。
ここは…事件があった場所だ、と清子が言っていた。
普通の女の子ならば、怖がるはずなのに?
そんなことを、ぼんやりと考えていると…
「あら、ソータロー!
 私のことを、ヘンなヤツだと思った?」
ケラケラと笑いながら、清子はこちらを向く。
「そんなこと…昔から言われているから、今さら驚いたりはしないわよ!」
自慢するように、清子は腰に手を当てた。
それから宝さがしゲームをするみたいに、清子はせっせと探し始める。
「あら、これ、まだ使えるわね!」
「なぁに、これ!可愛い~」
棚の中をのぞきこんだり、木箱のふたをあけたりして、完全に楽しんでいる。

「なんのために、ここへ?」
 あんまりのん気に、家探しをしているので…
ついに宗太郎は、ガマン出来なくなる。
「なんのため?」
清子はキョトンとした顔を向けると、
「そんなの、決まっているでしょ?
 あの子を呼ぶためよ」
にぃっと笑った。
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