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ソータローのこと…33

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「あ~っ、嘘だと思っているんでしょ?
 ホントに、あるんだってば!それにね!」
 清子はニヤッと笑うと、宗太郎をまじまじと見る。
「ここにはね、開かずの間がある~と、話題だったのよ!
 あの頃、ソータローもどこにあるのか、と探していたじゃない!」
宗太郎が覚えていないのをいいことに、清子は勝ち誇ったように言う。
「え~っ、ホントかぁ?
 もしかして、ボクのことをからかっているんじゃあないのか?」
疑いのまなざしで、清子を見る。
「さぁ?どうでしょうね!」
にぃっと笑うと、
「だけど…ここに来るのは、久しぶり!
 何だかとっても、懐かしいなぁ」
嬉しそうに、木箱の周りをトコトコと歩き回る。
そうして、柱をペシペシと叩いて歩く。

「ホントかぁ?」
 どうも清子は、楽しんでいるんじゃあないのか?
(まぁ、それはそれで、いいけどねぇ)
だが確かに、子供の頃に戻ったような気がする。
それも、悪くはないかぁ~と、宗太郎も思い始めていた。

「ねぇ、ソータロー!」
 清子は、宗太郎の顔をのぞき込む。
「なんだよぉ」
意味あり気に、ニヤニヤしている清子に、思いっ切りブスッと
してみせる。
「もしかして、ホントーは、思い出したんじゃあないの?」
さらにニヤニヤしながら、顔をのぞき込んでくる。
「そんなこと、あるわけがないだろ!」
宗太郎は、ぷいっとソッポを向いた。

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