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ソータローのこと…12

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 ははは…
宗太郎は、笑ってこの場を終わらせようとする。
「なんだ?清子~
 探偵ごっこか?
 それとも、推理ドラマか?」
何が何だか、わからないけれど…
この際、笑い飛ばしてしまえ、と思う。
「やっぱり」
清子はそんな宗太郎のことを、哀れむような目で見る。
「ソータロー、あなた…
 もしかして、何かされたのね?」
「はぁ?」
 何を言っているんだ?
まるで、安易に作られた、安っぽいドラマのようだ…
そんなことを言われるなんて、とても自分のこととは思えない。
「なんだ?ドラマごっこか?」
さらに宗太郎は、ははっと軽く笑ってごまかそうとするけれど、
「ごまかさないで!」
清子の鋭い声が、それをはばんだ。
宗太郎のことを、穴があきそうなくらい、じぃっと見つめる。
はぁ~
宗太郎が、大きくため息をつくと、
「わからないんだ」
急にヘナヘナ…と、その場にしゃがみ込んだ。

「何があったのか、何でここを離れたのか…
 一切合切何にも、覚えていないんだ」
 どうなっているんだ?
頭を抱え込んで、そうつぶやく。
「ねぇ、ソータロー!
 一体、どういうことなの?」
だが清子は、少しも、追及の手を緩めようとはしない。
「突然いなくなったことと、何か関係があるの?」
だがその目には、狼狽の色が浮かんでいる。
「たぶん、おそらくは、そうなんだろうな」
ポツンとそうつぶやくと、宗太郎は夢遊病者のように、ゆらりと
立ち上がった。
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